第42章 不信感
「・・・で?そちらの二人は英語の先生か何かで?」
・・・二人?
確かにジョディさんの横には大柄で強面な男性が建ってはいるが・・・。まるで二人が知り合いだと知っているかのようで。
「あ、いえ・・・、そちらはFBIの方達で・・・訳あって捜査協力を」
「ホォー・・・。FBI、ですか」
透さんはポケットに手を入れたまま笑みを深め、体をジョディさん達へと向けた。
「アメリカ合衆国連邦捜査局ってヤツですね。よく映画やドラマでお見かけしますよ」
そう言う間にも、透さんの笑みは彼らを煽るように、言い方も挑発的な物になっていって。
「手柄欲しさに事件現場に出ばって来て、ドヤ顔で捜査を引っかき回し、地元警察に煙たがられて視聴者をイラつかせる捜査官・・・」
「なに・・・!?」
「ああ、別にあなた方のことを言ってるわけじゃないですよ!たまたま僕が観たのがそういうもので・・・」
煽られて怒りを露わにしたのは、ジョディさんの横に立つ大柄な外国人の男性で。
さっきの言葉で反発する様子や、ジョディさんの横に立っているということはやはり、警部さんの言葉通り彼もFBIで間違いないのか。
それに対して透さんは白々しく両手を広げ前で振りながら、悪かったとでも言いたげな声色で返して。
本当はそんなこと思っていないんだろうけど。
「・・・・・・ッ」
その後、透さんは警部さん達と話を進めている様子だったが、コナンくんやFBIの人達は彼から目を離さなかった。
・・・やっぱり、警戒されてる。
恐らく、ジョディさんやコナンくんには、今の私も良くは写っていないはず。
何か言いたげな彼らの雰囲気は痛いほど感じられた。
「・・・ね、如月さん」
FBIの人達に視線を取られていた時、コナンくんがスカートの裾を優しく引っ張りながら小声で私を呼んで。
口元に手を添える彼を見て、耳を貸せということを察し彼の傍にしゃがみ込んだ。
「・・・簡潔に説明して」
真剣な面持ちでそう囁かれた。
と言われても、正直な話さっきの言葉が今の私の全てで。