第42章 不信感
「・・・・・・っ!」
目を疑った。
室内にふと目をやった時、刑事さんに紛れて立っていたのは、コナンくんとジョディさんだったから。
向こうも酷く驚いた様子でこちらを見ていて。
「僕は彼女から、ストーカー被害の依頼を受けていたんですから」
話しながら部屋に足を踏み入れる透さんに続き、私も入室して。
コナンくんは透さんから目を離すことなく、どこか睨みつけているようにも見える様子で。
「遅くなって申し訳ありません、警部さん」
割腹の良い警部さんへ親しげに透さんが話し掛ける様子から、初対面では無いことを感じ取った。
「呼んだのかね?」
「それが、彼女の携帯の通話履歴に、彼の番号もあったので・・・」
よく見れば、警部さんと会話をするもう一人の刑事さんは、あの時の高木さんで。
「・・・あれ?貴女、あの時の・・・」
高木さんと目が合った瞬間、彼が何かに気付いたように私に近寄ってきて。
どうやら彼も私のことを覚えていたようだ。
「あ・・・如月です。今日は透さんの助手としてついてきました」
何となく、ここに呼ばれた理由が少しだけ分かった気がする中、頭を下げながら挨拶を済ませて。
「助手?あまり事件と関わりは無さそうだが・・・」
警部さんにそう言われ、心臓が跳ねた。
確かに、今回の事件についてはさっき知ったばかりだ。
それに、被害者の依頼についても同じことで。
部外者と言われてしまえばそれまでだ。
「彼女も依頼の手伝いをしていましたので。何か気付くことがあるかもしれないと思い同行させました」
息をするような彼の嘘に、何処と無く不安感が募った。
いつもこんな風に、嘘をついているんだろうか、と。
「・・・仕方あるまい」
警部さんはあまり納得していない様子だったが、その場は何とかなったようだった。
だが、私にとっての問題はまだ残っていて。