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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第41章 苦い罠※




「私は・・・沖矢さんの道具ではありません」
「そう捉えてしまわれたのなら、申し訳ありません」

白々しく言い返されたその言葉に、怒りが逆撫でされて。

道具で無ければ、さっきの出来事はなんだったのか。

「・・・っ」

握り締めた手に力が入って。

彼とどういう距離を保っていれば良いのか分からない。

協力者という関係で、それ以上の関わりは無い。
私は彼に興味は無いが、彼の本心は分からない。
デリカシーが無く、人の心を土足で踏み荒らすような人だけど、心の底から嫌いにはなれなくて。

時に彼に助けを乞うこともあり、頼りにしている部分もある。
けれど、彼は私のことをそうとは思っていないと考えていて。

透さんに突っかかることも、私にちょっかいを出すことも、私が知りたいことを知っていてわざと話してくれないことも・・・全て彼について理解できない部分。

小さく積もった不満や怒りは、いつしか大きな嫌悪や疑心に変わっていた。

「・・・近いうちに、ここを出ます」
「おや、部屋が見つかったんですか」

さっきのこともあるから、今すぐ・・・という訳にはいかないが、ここよりは何倍もマシなところで。

「透さんの事務所に、お世話になります」

さっきの案件で気持ちは固まった。

組織の人間に命が狙われても、危険に晒されても、それでもここにいるよりはよっぽど良い。

コナンくん達には危害を加えられないよう、なるべく会うことを控えたりすることを考えていて。

「それはあまり良いとは言えないですがね」
「コナンくんは勿論、沖矢さんにも迷惑はかけませんから」

貴方の出方次第では分からないけど、と心の中で付け足した。

「もういいですか」

私からの話はもう特にすることもないし、彼からこれ以上話があるとも思えなかった為、その場を立ち上がって扉へと進めた。

ドアノブに手を掛けた瞬間、突然背後から腕を掴まれ、思わず視線を向けた。

「・・・まだ何か?」

誰が掴んだかなんてことは分かっている。
背後に立っていたその人物に、吐き捨てるようにそう尋ねた。



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