第39章 追求心
「コナンくんが知っているのに私が知らないのは、彼の協力者として納得できません」
半ば、FBIを脅す形になっていることに罪悪感は覚えた。それでも私はどうしても彼等となるべく対等な情報が欲しかった。
「・・・教えないと言ったら?」
「どんなに貴方達に不都合や危険が及んでも、透さんの為に動きます」
そこにはコナンくんも含まれていて。
そんなことする度胸を持ち合わせていないことくらい、自分が一番よく分かっているけど。
「ふふっ、コナンくんから聞いていたけど、本当に強情なのね」
恐らく色々と見透かされている。
それでも、今更引くことなんてできないし、そのつもりもない。
「教えて・・・くれますか」
真っ直ぐ、彼女だけを見据えて。
兄のことは勿論だけど、きちんと知っておきたい。
・・・透さんのことも。
「・・・分かったわ。ただ、一つだけ条件があるわ」
さっきの承認保護プログラムを受けることだったらどうしよう、なんて考えも過ぎったが、そうだとしたら自分で何としてでも調べるだけだと決意して。
「今ここで話す事は他言無用。特にあの安室って男には、ね」
そんなこと。
私にとってはそう思えるくらいの軽い条件で。
「分かりました」
どうせ透さんに話せるはずもない。
彼が組織について語る時は、彼の言うその時なのかもしれないし。
「じゃあ、まずはあの病院で起こったことから、話そうかしら」
コーヒーに口を付けてソーサーに戻したところで、ジョディさんが話を始めた。
ーーー
「・・・・・・・・・」
ジョディさんから話を聞いた後は、本当にそれが実際にあったことで、それも近くで起きたことなんて信じられなかった。
もっと信じられなかったのは、それにコナンくんが関わっていて、時に助言をしているということ。
「・・・話をまとめると、水無怜奈はキールというコードネームで組織に潜入しているCIAで、それを探しに病院へ潜り込んでいたのが楠田陸道・・・ということなんですね」
「簡単に言えばそうなるわね」
でも、必要以上にコナンくんが楠田陸道のことを隠していた理由がまだ分からない。
彼には・・・まだ何かある気がした。