第39章 追求心
「そう・・・、分かったわ」
ジョディさんがとある地下駐車場に車を入れながら、そう返事をして。
「すみません・・・」
「いいのよ。貴女が断るだろうってことはコナンくんも予想していたし」
コナンくんにもこの話をしていたんだ、と考えれば彼女とコナンくんがかなり密な関係だと思えた。
「でもあの安室って男には、なるべく気を抜かないことね」
「・・・分かりました」
彼女やコナンくん達には、透さんがどんな姿で映っているのだろう。
私は、組織の人間として行動している彼をミステリートレインでしか見たことがない。
あれ以外にもバーボンとして接触されたことがあるのかもしれないが、私にとっては安室透という印象が強くて。
・・・危機感を覚えた方が良いという透さんの言葉がチラついた。
「じゃあ、一旦この話は終わりにしましょ。ここに雰囲気が良いカフェがあるの。そこで貴女の話を聞かせてもらおうかしら?」
私は彼女に話があるとは一言も言っていないが、電話を掛けたのは私だからそこで察したのだろうか、と思いながらシートベルトを外して。
「分かりました」
柔らかい空気にする為か、ジョディさんは笑顔を向けてくれて。
二人で車を降りると、米花百貨店入口と書かれた看板に向かって歩き出した。
ーーー
「私はコーヒーで」
「じゃあ・・・私もそれで」
ジョディさんに連れられるまま彼女の言うカフェに移動して。
確かにポアロとはまた違う、落ち着いた雰囲気の良いお店だ。
「・・・で、貴女が私に電話を掛けた用事を教えてくれるかしら?」
両手の指を組み、そこに顎を乗せる体勢でジョディさんが尋ねた。
その視線に、またどこか緊張感が走ったような気がして。
「・・・あの、先日拾った写真の男性のことなんですが・・・」
「またどこかで見たの・・・!?」
言い掛けたところで、ジョディさんが食い入るように身を乗り出して。それに圧を感じて驚き、目を見開いた。