第39章 追求心
『もしかして、如月さん?』
「え・・・?そ、そうです・・・」
コナンくんから聞いたんだろうか。
名乗ったはずのない名前を呼ばれて一瞬戸惑ったが、そう考えると腑に落ちて。
『丁度良かった。貴女に話したいことがあったのよ』
彼女が・・・私に話したいこと?
「何ですか・・・?」
『それはまた直接会った時に話すわ。・・・もし良かったら、今からどうかしら?』
なんだろう、FBIの人の話って。
恐らく組織のことについてなんだろうけど。
もしかすると兄のことかもしれない、なんて僅かな希望を抱いたりもして。
「大丈夫、だと思います。場所はどちらで?」
恐らく、ダメだとは言わないと思うが、念の為沖矢さんの許可も取らないといけないか、と考えながら。
『そうね・・・そっちに合わせるわ』
と言われても、私が知っている話せるような場所といえば、ポアロくらいしか思い当たらなくて。
間違ってもそこには行けないから。
「・・・すみません、あまりそういうお店には詳しくないので・・・」
『じゃあ、私が迎えに行くわ。住所、教えてくれる?』
コナンくんとの知り合いとはいえ、ここを教えるのは彼らに不都合があるかもしれない。
・・・だったら。
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「ごめんなさい、待たせたかしら?」
「いえ、私も今来たところです」
目の前に高級外車が止まり、まさかと思っていると、下げられたウィンドウからジョディさんが顔を出して。
彼女には自宅の住所を教えて迎えにきてもらった。
沖矢さんは私が外出するのを珍しく渋る様子だったが、会うのはコナンくんの知り合いのFBIの人だと告げると、許可を出してくれた。
過保護なのかはよく分からないが、自宅までは送ると言い切られ、ここまでは沖矢さんに連れてきてもらって。
そして帰る時は迎えに来るから必ず連絡するように、と何度も言い聞かされた。