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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第36章 幸せな




「その言葉、次に使ったら許しませんから」

そう告げる透さんの目は本気で。

怒り、というよりは心配、といった感じだった。

「・・・はい」

便利だった言い訳が、もう使えなくなってしまった。

これから彼への誤魔化しの言葉はどうすれば良いだろう。そんな日が来ないことが一番であり、しないことが良いのだけれど。

「貴女を迷惑だと思ったことは一度もありませんが、頼ってくれないことは逆に迷惑になることを、覚えていてほしいです」

そこまで彼が私を繋ぎ止める理由は何なのだろう。

私が組織のことを知ってしまったから生かしてはおけないけど、搾り取れるだけ情報を搾り取ろう、という考えなんだろうか。

・・・だとしたら、彼はもう私が何も情報を持ち合わせていないことに気付いているはず。

沖矢さんが持っている情報が欲しいのか、それとも彼自身の行動が知りたいのか・・・その割には沖矢さんを毛嫌いするし、一緒にいることを良しとはしない。

バーボンとしての目的が、全く分からなくなっていて。

ただ、殺される覚悟は・・・いつでも出来ているつもりだった。

「・・・聞いていますか」
「す・・・すみません、聞いています・・・」

考えに耽ってボーッとする私に、ちょっと不機嫌そうな声で問いかけられた。

ふと我に返りながら慌てて返事をすれば、透さんは小さくため息をついて。

「ちょっとだけ、お仕置きです」

そう言うと、いつものように横抱きでは無く、肩に担がれるように持ち上げられて。

「と、透さん・・・!」

された事のない格好に、恥ずかしさと多少の怖さを感じながら透さんの服を掴んだ。

勿論、降ろされる場所はベッドの上。
向かい合うようにそこへ座らされると、自然に正座をしていて。

「その服を選んだということは、誘っているととって良いんですよね?」

それは以前透さんが用意した短めのワンピース型の部屋着。

部屋着に近いものがそれしか無かったというのもあるが、透さんの言葉の意味も多少は含んでいて。

そういう心理に気付かれてしまったことに、顔が赤くなる感覚を感じた。



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