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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第35章 正して※




「・・・透さん」

私の中の欲望が、大きな声を上げた。

「はい」

彼は私の彼なのだと。

「私も・・・透さんに付けて良いですか」

彼に付けてもらった跡に触れて。

一瞬驚いた様子の彼に罪悪感に似た感情を覚えながらも、醜い欲は抑えることができなかった。

「お好きなだけ、付けてください」

きっと私が一つしか付けられないことを知ってて言っている。

そう煽られても、いくつもつける度胸なんて私には備わってないけど。

「・・・・・・」

それでも、自分の中での欲望が彼を支配しろと叫んだような気がした。

ほんの出来心と言えばそんな感じで。

彼の首筋に、そっと舌を這わせた。

「・・・・・・ッ」

彼が少し反応を示したことが嬉しくて。

わざと見える位置を何度か舐め上げた後、そこへ吸いついて跡を残した。

「・・・お揃い、ですね」

彼が私の胸元へ手を伸ばし、跡に触れながらそう漏らして。

透さんが付けたものよりかなり薄いそれは、私達の関係を表しているようだった。

か細い、その関係はいつ消えてもおかしくない。

そう言われているようで。

「でもここだと、ポアロに出る時は隠さないといけませんね」

優しく笑いながら言った内容に驚いた。

「透さん、ポアロに戻ってるんですか・・・?」
「僕は元々、貴女のように長期休暇に入った覚えはありませんよ」

確かに言われてみればそうかもしれない。

探偵業は休むと言う話はあったが、テニスコートで会った時も体調を崩していたが復帰をすると言っていたし。

そのことから少しの期間休んでいた様子は分かったけれど。

「梓さんも心配しています」

私だって、できるなら早く戻りたい。

あそこは私の居場所だから。

けれど、沖矢さんがそれを良しとはしない。

こんなことを透さんに言えるはずもなくて。

「・・・引っ越し先が決まったら、すぐに戻ります」

それは私の単なる希望。
戻れる確証なんてどこにもない。

でも。

「待ってます」

彼の言葉に、必ず戻ることを決意させられた。



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