第35章 正して※
「入りましたよ・・・っ」
腰を掴む手はそのまま、彼の上に完全に体を預けていると分かったとき、言葉通り全部透さんのモノを受け入れたことを実感した。
「・・・大丈夫ですか」
何度も私の心配をしてくれて。
その優しさは辛くもあり、嬉しくもあった。
息は荒く、乱れ切っていたが、彼を求める欲はとどまることを知らなくて。
「透、さん・・・ッ」
今は私が上だから。
私のタイミングでキスができるんだ。
そう気付いた時には、彼の唇に自分の唇を重ね合わせていた。
「ン・・・っ、は・・・んぅ・・・」
透さんとは繋がったまま、体を密着させて舌を絡ませた。
彼のように、深く濃厚なキスは出来ないけれど。
求めている欲は、彼以上だという自信がある。
とても醜いものだという自覚はあるが、もう制御はできなくて。
「ん、ぅ・・・ッ」
透さんの手がゆっくりと背中なぞり、もう片方の手は頬を滑りながら後頭部に添わされた。
彼の触れる一部一部が熱を帯び、その度に体は反応を見せた。
「・・・っン!・・・は、ぅ・・・んんぅ・・・ッ!!」
彼とのキスに意識を取られ過ぎていて、彼が少し腰を下げていたことに気が付かなかった。
少し離れたそれは、再び一気に奥まで突き上げられた。
「んう、ん・・・ッ、んん・・・!!」
だから後頭部に手を這わされたんだと気付いた。
私がここから逃げられないようにする為。
「んっ、ん・・・ッ!ふ、ァ・・・っ!!」
浅く、ゆっくりしたものではあるが、何度も透さんに下から突き上げられた。
その度にイキたい欲と彼への愛おしさが痛いくらいに増していく。
「っは、・・・と、るさ・・・ッ」
重ねていた唇を剥がし、少し体を起こす。
突き上げる距離が無くなったことによって、自然と透さんの腰の動きも止まって。
「すみません、我慢できませんでした」
悪びれた様子のないその笑顔さえも、私の欲望を煽ってくる。
ゾクゾクとした何かが体を走る度、ただの動物になっていくことを感じた。