第35章 正して※

「その時･･･とは･･･」

聞きたくなんて無かったけど。
聞かざるを得なくて。

「･･･いずれ分かりますよ」

今日はそればかりだ。

肝心なところは何も教えてくれなくて。

また大きな不安が、私の中で居座った。

「･･･その時が来たら、透さんは･･･っン、ん･･･！」

私の言葉をかき消すように、唇を塞がれた。

まるで言葉の先を肯定するように。

思い当たったのは、


彼が私を殺める時。


若しくは、


彼が私の前から姿を消す時。


いずれにせよ、私にとっては最悪の未来で。

彼が事前にそれを伝えたと言うことは、覚悟しておけという意味なんだと思って。

「んっ、ン･･･っ」

絡んでくる舌も、どこか弱々しく感じられた。
今までできなかったキスの合間の呼吸が出来るくらいには、深いのに優しいキスで。

「･･･っは、とおるさ･･･っ」
「今は･･･」

唇が離れた直後、問いかけようとしたのを察知されたのか、彼の言葉によってそれは遮られた。

「今は何も聞かず･･･僕に集中してください」

そう言って秘部を下着越しになぞられて。

繋いでいた手はするりと離れ、ゆっくりと体をなぞっていった。

「･･･やっ、ぁ･･･！」

些細な事であれば、次の瞬間にはきっと快楽のせいで、どうでも良いなんて思っているかもしれない。

でもこんなことでは、さっきのことがどうでも良くはならなくて。

「僕も我慢の限界ですので、失礼します」

言うなりスカートを下着ごと脱がされる。

いとも簡単に行われたそれは羞恥心さえ感じる暇もなくて。

「透さん･･･っ」

一瞬で我に返った時、一気に恥ずかしさに襲われた。

何度見られたって恥ずかしいものは恥ずかしい。

思わずそこへ手を伸ばして隠そうとするが、例の如く透さんによってそれは阻まれた。

「痛かったら言ってください」

言うや否や、始まりとは思えない質量が腟内を満たして。

「い、っあぁあ･･･！！」

痛みの中にある快楽が、ゾワゾワと欲望を逆撫でする。

求めていた快楽に軽く背を反らせながら、その指の存在を確認した。