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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第35章 正して※




「・・・それでも、僕の知らない貴女を、あの男が知っていることが嫌なんです」

それは・・・少し分かる気がする。
私だって、僅かな恐怖はあるものの、透さんの全てを知りたいと思う。

それは彼の白い部分も、黒い部分も。

例え知って後悔したとしても。

「透さんが見えている私が、本当の私です。偽りの私は・・・見ないでほしいです」

本当はどちらが嘘か本当かなんて分からないけど。

私の中で彼が全てなのなら、彼の見ている私が真実だ。

沖矢さんが見ているのは・・・きっと偽物で。

「偽りのひなたさんの方が、少し貴女らしいと思ったのは・・・侮辱に値しますか?」

心臓が締め付けられるような感覚。

私自身、そういうつもりは無かったけど。

目の前の彼も、沖矢さんも、同じように思っているんだと感じて。

「・・・しませんが、そう感じられたとしてもそれは偽りの私です」

本当は自分でも分からなくなっていて。

本当の私は一体どこに行ってしまったのか。

「透さんには・・・今の私だけを、見て欲しいです」

醜い部分の私なんて見て欲しくない。
沖矢さんへ向ける私は、彼への信頼はあるが嫌悪のあるもの。

抱いている感情そのものが違う。

例えそれが本来の私に近い存在だったとしても、見て欲しくはない部分。

「・・・では、今は我慢しておきます」

その言葉じゃ、いつか沖矢さんに見せている私を彼にも見せる日が来るような言い方で。

そんなことは無いと思うけれど。

「それと」

少し柔らかさを取り戻していた透さんの雰囲気が一変して、また冷たさが戻ってきた。

・・・この透さんは少し苦手だ。

「彼との約束とは・・・なんですか」

いつもこう、追い詰められることが多いから。

「それ、は・・・」

流石に正直に言うことはできない。

これに関しては本気で沖矢さんに怒りを向けた。
彼が余計なことを言わなければ、こうも面倒なことにはならなかった。

「!?・・・っン、あ・・・!」

返答に困っている最中に、再び耳へ愛撫を受ける。

彼の舌が耳に触れる度、体はビクビクと痙攣し小さく甘い声が漏れた。



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