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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第30章 壊して※





「ここに、いますよ」


「・・・っ・・・!?」

突然、鼓膜に届いたのは今までの卑猥な音では無くて。


優しい・・・透さんの声。


そんなこと、ありえないのに。

「呼吸、止めてはダメですよ」

声も、話し方も、彼のもので。

どうして、なんて考える暇もなく、少し抜かれてまた奥を突かれた。

「あぁっ!・・・っと・・・るさ・・・!」

益々、彼だという錯覚に陥る。

本当に彼がいるようにしか感じられなくなって。

言葉通り、自分自身が壊れてしまいそうだった。

「呼吸をして・・・力を抜いて」

彼の顔が耳元にあるから、声は届くものの顔は見えなくて。
見なくてもきっと沖矢さんなんだけど。

きっと幻聴なんだ。

彼を求めるあまり、彼を重ねすぎたあまり、都合良く頭の中で改変されているのだと思った。

そうでも無ければ、説明がつかない。

「んっ!・・・あ、ひぁ・・・ぁあ・・・っ!」

抜かれては突かれての繰り返し。
快楽はあるけどもどかしくて。

もっと、いつものように溺れさせてほしい。

透さんではないのに、彼の行動をいつの間にか求めていて。

「・・・ひなたさん」

「・・・っ、と・・・る・・・さん・・・っ」

やっぱり耳に届くのは彼の声で。
優しく、甘く名前を囁かれれば、私の中の何かのスイッチが入るようだった。

無意識に彼の背中に腕を回し、力を込めた。

その瞬間、今まで緩やかだったピストン運動が急に激しくなって。

「・・・っぁあ・・・!あ、やぁ・・・、だめ・・・っ!」

もどかしく感じていたものは少しずつ変わっていって。

着実に、快楽の沼へと引きずり込まれていく。

もう、彼が沖矢昴だということは殆ど忘れていた。

「あ・・・っ、とお・・・る・・・さ・・・ぁあっ!!」

相変わらず顔は見えないけど、たまに耳に届く吐息が、快楽の火へ油を注いだ。

艶めかしく、少し苦しそうなそれは背筋にゾクゾクと何かを走らせた。

「や、だめ・・・っ、も・・・ひぁ・・・っ!」

また、あの感覚が近付いてくる。
でもさっきよりも大きさは格段に違って。

嫌だと思う自分は、もうどこにもいない。

そこにあるのは、醜い醜い、欲望だけ。



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