第30章 壊して※
「や・・・!ほん、とに・・・やめ・・・!」
これ以上されると、本当に理性が飛んでしまう。
いつもなら本気で抵抗すれば止めてくれる彼も、今回は何故か止めてくれなくて。
「残念ながら、ここでやめられるような性分ではないので」
・・・じゃあ、今までのはなんだったの。
いつもこんな所まで進まないくせに。
一瞬そんなことを思ったのも束の間で、焦らされていた指が急に蜜口を貫いた。
「ん、ぁあ・・・あ・・・っ!!」
焦らされていた分、快楽が大きくて。
体はそれを待っていた、と言わんばかりにピクピクと反応を示して。
「もっと力を抜いてください」
「む、り・・・っ」
沖矢さんの指を思いの外すんなり受け入れてしまったことに、蜜口が濡れていたことを思い知る。
過敏になっている神経が、小さく鳴ったクチュ・・・という卑猥な音すら耳に届けてしまう。
「透さん・・・っ、と、るさ、ん・・・!」
無意識に彼の名前を呼んだ。
彼であってほしいという希望と、彼だったら良かったのにという絶望で。
「まだ余裕がありそうですね」
「っ、ああぁ・・・あ!」
少し指を抜かれたと思ったら、今度は質量を変えてまた腟内に侵入してきて。
指を増やされただけなのに。
その快楽は何倍にも膨れ上がった。
「もう三本入ってますよ」
一々教えてくれなくて良い。
そんなことは脳裏で考えていたのに、もう声を抑えるという概念は捨ててしまっていた。
「や・・・、あ・・・っ」
痛みというものは殆ど無くて。
そこにあるのは醜い快楽だけ。
感じたくもないのに、敏感にそれらを受け止めては甘い声を吐いた。
「・・・っん、ああぁ・・・っ!!」
腟内で指を動かされ、敏感なところへ刺激を集中される。勝手に動いてしまう体に嫌悪感を抱きつつも、快楽の沼にはどんどんと沈んでいった。
「ここが、良いんですよね」
そう言いながら何度もそこを刺激されて。
まるで前から知っていたかのような口振りと手つきで。