第26章 心の傷※
「きゃ・・・!」
タオルの下に忍ばせていた手が再び動き出したと思えば、突然体に巻いていたタオルを取り払われて。
思わず体を隠すように、パチャっと水飛沫を上げながら彼に抱きついた。
「透さん・・・っ!」
体は密着させたまま顔だけ彼に向けて。何をするんだと目で訴えれば、嘲笑うように視線を返された。
「すみません、手が勝手に」
黒い笑顔とはこういうことを言うんだろう。
こうなった彼には何をしても勝てる自信がない。元々勝てる要素など持ち合わせてはいないけど。
「返してください・・・」
「致しかねます」
しっかりと水を吸い切ったそのタオルを浴槽の外へと出してしまって。
少しでも透さんから離れれば、一糸まとわぬ体が露わになってしまう。そう思えば思うほど、鼓動がどんどんと早くなっていった。
「・・・っ」
間違っても彼から離れないように、透さんの首へ腕を回してしっかりと抱きついた。
ここからどうすれば良いのかは分からないが、こんな明るい場所で裸を見られるなんて耐えられる自信がない。
「っ、あ・・・!と、透さ・・・ぁあ・・・!」
彼に抱きついた数秒後、背中に回されていた彼の手が、ゆっくりと下へ降りてきて秘部へと触れた。
一瞬で電気が走るような刺激に、背中を反らせて甘い声を漏らした。
「ん・・・ぁっ、ぁあ・・・や、あ・・・っ」
確実に敏感なところを攻めてくる透さんの指に全てを持っていかれる。
浴室内に響く自分の声が反響して、何度も何度も耳に届くようだった。
「い、ぁああ・・・っ!!」
そんな瞬間、何の前触れもなく蜜口を指が貫いた。
透さんの指だけではなく、僅かだがお湯もナカに入っているようで。
「あ、だめ・・・っ、ひぁ・・・!」
腟内でクイッと曲げられた透さんの指が、弱いところを刺激する。
目の前が真っ白になるような感覚に彼に回す腕にも段々と力が込められていった。
「と、る・・・さっ、あ、ぁあ・・・っ!」
熱い。
自分の顔も。
お湯に浸かっている体も。
透さんの指が入っているナカも。
全てに熱が篭っていて。