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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第25章 正しく※




「頭濡らしますね。少し上を向いて頂けますか?」

彼のその言葉に、少し顔を上に向けて。ゆっくりかけられたシャワーが、温度も丁度良くてとても心地良い。

「痒いところがあったら言ってください」
「・・・美容院みたいですね」

透さんに頭を洗ってもらいながら、思わずクスッと笑いが漏れてしまって。

透さんの長くて男らしい指が、私の頭を包んで良い力加減で刺激してくれる。どこからか眠気もやってくるような気持ちよさで。

「透さんって何でも出来るんですね・・・」

うとうとしながらポツリと言葉が零れ落ちて。
彼に出来ないことがあれば教えてほしい。

何も弱点が見当たらない彼が、どうして私なんかといるのか。それを考え出せば、やはり思い出されるのは沖矢さんのあの言葉で。

・・・ダメだ、変な方向で考えちゃ。

いらない考えを振り払うように、透さんの指に・・・触れる感覚に全神経を研ぎ澄ませた。

「何でも、ではありませんよ」

私の呟いた言葉にも透さんは律儀に返事をしてくれた。
謙遜だろうけど、嫌味を感じない物言いは彼に知性があるからだろうな、なんて思って。

「ひなたさんのことになるとどうして良いか分からなくなることもありますし、ね」
「・・・え?」

私の事で・・・?
それは私が頑固だから、中々透さんの作戦通りにいかず戸惑うということか、それとももっと単純な意味で・・・?

「流しますね」

言葉の真意を尋ねようとした所、再び頭にシャワーでお湯をかけられて。
聞くタイミングを完全に逃してしまった。

シャンプー後、透さんは丁寧にトリートメントまでしてくれて。本当に美容院にでも来たような気分だ。

「はい、終わりました」
「ありがとう・・・ございます」

洗い終わった髪は、湯船につかないようわざわざ上の方で結んでくれて。どうしてこんな気遣いが当たり前のようにできるのか、不思議でたまらなかった。

まあ、彼はモテるだろうから。きっと他の誰かに・・・と勝手に自己解決しては勝手に悲しくなって。



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