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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第25章 正しく※




「・・・っ」

反射的に目を瞑った。優しく触れた透さんの唇が、私の警戒心を全て落としてしまうようで。

「・・・あの、具体的には何を・・・」

内容によっては躊躇していまいそうになるかもしれない。それでも、彼の為に動ける喜びが少なからずあって。

「とある人物を一緒に調べてほしいんです」

そう言われて真っ先に思い浮かんだのは楠田陸道。
そうだとすればこちらとしても都合は良いけれど。

「誰、ですか?」

その瞬間、透さんの目付きが変わり、目の奥に何か嫌なものを感じて。


「赤井・・・秀一」


今までにない、低い声でそう彼の名前を告げた。

「赤井秀一・・・ですか?」

あくまでも私はその存在を知らないフリをして。
彼の名前を知っていることは、透さんにバレているかもしれないけど。

「ええ、偽名は諸星大。組織に潜入していたFBIの男でして」

でも透さんの資料によれば、その男は。

「組織に殺された。とのことですが、その男には少々確認しておきたいことがあるんです」
「でも・・・亡くなってるんですよね・・・?」

そんな彼に今更何を確認しようとしているのだろう。

「恐らく」

不敵な笑みを浮かべてそう一言だけ告げられて。透さんはまだ赤井秀一の死には疑問を持っているようだ。

そういう私だって、彼は生きていると思っているが。

「もし仮に生きていたとしても、私はどうやって調べれば・・・」

楠田陸道もそうだが、私が彼を知ったのは透さんが置いていたであろう写真で、だ。
図書館に行けば調べられるようなことでもないし、私には透さんのような探偵能力だって無い。

「後日、僕と一緒についてきてください。ひなたさんには、そこでとある人物に探りを入れてほしいんです」

それは組織の人間ですか?

喉のすぐそこまで言葉が出かかったが、何とか飲み込んだ。

もし仮に組織の人間だと言われたら、コナンくん達に相談しない訳にはいかない。
そうすればきっと止められる。

・・・いや、赤井秀一は組織に恐れられていたようだし、今更組織の人間に探りを入れることもないか、と心の中でため息をついた。



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