第24章 裏切り※
「・・・ここ、濡れていますけど。僕に会っただけでこうなったのなら嬉しい限りですが、そうでないのなら少しお仕置きが必要ですね」
透さんの手はいつの間にか下着越しに秘部を触っていて。さっき沖矢さんに胸を触られ感じてしまった時に溢れてしまったそれが残っていたのだろうか。
・・・あれだけ時間が経っているのに?
「ち、が・・・っ!」
何にせよ、どっちを否定しても状況は最悪に思えた。
「ひなたさんをこんなことにした人物を、教えて頂けませんか」
「・・・っぁ、あ・・・!」
下着の隙間から透さんの指が忍び込んでくる。思わず声が漏れて、透さんの腕を掴んだ。
「透さん・・・っ、だと言ったら・・・失望、します、か・・・?」
息が荒くなる。僅かだが快楽もある。
それに顔を歪ませながらも、真実を塗り隠すように嘘をついた。
「・・・しませんよ」
その声は何だか悲しそうで。
きっと彼はこれが嘘だと分かっている。
それを見抜いたからこそ、この声なんだ。
そうさせたのは私なのに、何故か自分まで悲しくなって。
真実を言ってしまえばどんなに楽になるか。
だけどその場合、彼にこの上ない失望を与えてしまうことになるんだろうか。
・・・いや、バーボンとしてなら何とも思わないか。それはそれで悲しいけれど。
「それ以外にも、貴女には叱っておきたいことがいくつかあります」
「・・・っ」
下着の隙間から忍び込んでいた指を抜き取ると、更に体を密着させ、顔を近付けられた。
今まで見たことのない、怒っているように見える表情に少しおどろいて。
「・・・伊豆高原から帰る際、言いましたよね。毛利探偵事務所に帰ったら連絡ください、と」
「・・・!」
そういえば、彼からスマホを借りたにも関わらず連絡を怠っていた。でも、それはわざとではない。
「それと、今日ここに来ることも聞いていません。資料が綺麗に整っていた辺り、物色ではなく整理だと言いたいんでしょうが」
言い訳まで当てられている。
連絡は透さんのスマホが阿笠博士の所にあり、手元に無かったからできなかったのだが。
それは言えないことで。
「どうして報告をくれないんですか」
「す、すみません・・・」
これは完全なる私の失態。
バーボンとしての彼に不信感を強くさせてしまったなら、それは少し危険と言えた。