第24章 裏切り※
「・・・どうかされたんですか?」
今日はダメだと一度断っているのに。
それでも誘いの言葉を告げる透さんに少しだけ違和感を感じて。
『ひなたさんに会いたい、という理由だけでは不十分でしょうか』
そんな言葉に思わず心臓が高鳴る。
相変わらず恥ずかしげもなく、歯が浮くような事をサラッと言ってしまう透さんに不安も感じて。
ただ、こればかりは私の判断だけでは動けない。
首を振られるのを覚悟で沖矢さんに視線で尋ねると、彼は笑みを浮かべて首を縦に動かした。
まさか許可が出るとは思ってもいなかった。
驚いて少しの間、唖然と固まってしまって。
『・・・ひなたさん?』
「あ・・・すみません。大丈夫です・・・、っ・・・!」
電話越しに聞こえた透さんの声で我に返り、慌てて返事をした。その直後、再び沖矢さんの手が服の裾から潜り込んできて。
「・・・っ!」
沖矢さんに視線で何をしているんだと訴えたが、彼はこの状況を楽しむように笑顔で返されてしまった。
手は呆気なく膨らみまで到達して。
焦りから冷や汗が頬を伝った。
『そこから事務所まで来られますか?』
「はい・・・、大丈、夫・・・です・・・・・・っ」
優しく、蕾を撫でるよに触られる。
微弱でも快楽はある。油断すれば声が出てしまいそうで。
『・・・どうかされました?』
その言葉にまた心臓が跳ねた。
変わらず愛撫を続ける沖矢さんを睨み付けるが、逆効果だったようで。
蕾を強めに摘まれた。
「・・・っぁ・・・!!」
スマホをなるべく遠のけ、反対の手で口を塞いだが、僅かに声が漏れてしまった。
『ひなたさん?』
少し心配そうな、でもどこか怒っているようにも聞こえる透さんの声が響いて。
「・・・すみませ・・・、すぐに行きます・・・っ」
思わず彼の電話を切った。
それ以上は危険だと判断したから。
「おや、切ってしまって良いんですか?」
何を白々しく。貴方のせいで切る羽目になったんだと、再び睨み付けた。
「興奮、してしまいました?」
「・・・っぁあ・・・!」
また強く蕾を摘まれる。声も出したくない、聞かれたくない、反応もしたくないのに。
何からくるものか分からなかったが、僅かに涙が滲んだ。