第24章 裏切り※
「変なこと言うのやめてください・・・っ」
また彼のペースに惑わされている。とにかくこの距離は危険だと思った。
これ以上何かされれば力では勝てないし、彼に口で勝てる自信も無かった。
「沖矢さん・・・変ですよ」
どこかいつもの彼ではない気がして。
彼から逃れようとするが、力が抜けてしまった体は言うことを聞いてくれない。
それどころか、彼がいなければ立つことすらできないかもしれない。
「どこが、ですか?」
どこ、と言われると困ってしまう。
「貴女には沖矢昴という人物が、どういう風に映っているのですか?」
やっぱり今日の沖矢さん、変だ。
変なのは今に始まったことではないが、いつもより様子がおかしくて。
私の知っている沖矢さんは・・・
「・・・こういうことをしない人です」
あくまでもきちんと線引きがある人だとは思っていた。彼から好意があるとは感じられなかったし、私もそのつもりは全くない。
だからここに暫くの間住めた。
私の答えを聞いた昴さんは怪しく笑って。
「残念ながら、それは不正解と言えますね」
そう言いながら、沖矢さんは服の裾から手を滑らせてきた。
「沖矢さん・・・!?」
思わず彼の腕を掴むが、止められるはずもなくて。
「いつも彼にどうやって抱かれているんですか」
「・・・っ」
もどかしいくらいに優しく肌を撫でられた。
ただ肌に触れられているだけなのに、更に全身の力が抜けるようで。
「やめて・・・くださ、い・・・!」
私が知っている沖矢昴ではない。
そう思うと段々、目の前の彼が怖く感じて。
「彼だと思ってみれば良いのでは?」
そんなことできるはずない。
透さんの代わりなんて誰にもできない。
ましてや沖矢さんでなんて、真っ平御免だ。
「いや・・・、です・・・っ」
その間も柔らかく肌は撫でられ続けた。
息が無意識に荒くなってきているのもあったが、別の感情で胸が締め付けられるように苦しくなってきて。
「では、純粋にこの行為を楽しんでください」
「・・・おき、やさ・・・っ!・・・っあ・・・!」
そんなこと出来るはずもないのに。
器用に片手でホックを外され、下着の下側から手が滑り込んできて。
膨らみを優しく手で包まれたと思ったら、今度は蕾を指で転がされた。