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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第22章 再捜査




「謎の多い事件でね・・・その破損車両の車内に大量の血が飛び散っていて。その中には一ミリに満たない飛沫血痕もあったらしいし」

飛沫血痕ってことは勢いよく血が飛び散ったということ・・・強く殴られたか、打ち付けられたか、或いは・・・拳銃だろうか。

想像するだけで吐き気がしそうだが、どのような時に飛沫血痕となるのか私には皆目検討もつかない為、こればかりは調べるしかない。

高木刑事の言葉を聞いた透さんは、暫く真剣な顔つきを見せていて。

この情報、透さんの耳に入ると都合が悪いのではないかと思い、コナンくんへと再び視線を向ける。変わらず透さんから目を離してはいなかったが、顔は更に険しいものになっていた。

「た、高木刑事!そろそろ行かなくて大丈夫?」
「え?うわ、ホントだ・・・!じゃあ僕はこれで!」

険しい顔から無理矢理作った笑顔で高木刑事を急かすようにコナンくんがそう言って。腕時計を見た高木刑事は、私達が今来た道を慌てた様子で歩いていった。

「そういえば皆さん、こちらにはどうやって来られたんですか?」

高木刑事を見送った後、空気を改めるように透さんが尋ねてきて。

「俺は走って・・・」
「僕は蘭姉ちゃんとタクシーだよ」

毛利探偵、走ってきたんだ・・・。別居しているとはいえ、やっぱり奥さんのこと愛してるんだ、なんて思っていたら。

「ひなたさんは?」
「・・・え?」
「ひなたさんはどうやってここまで?」

正直に言えば、その次に来る言葉は分かっている。

「た、タクシーで・・・」
「ほぉ、じゃあ皆さん僕の車に乗っていかれます?」

その言葉は想像通りで。恐らくここに来た理由を透さんは私に突き止めてくるはず。そうなった時、私は隠し通せるだろうか。

・・・いや、そんな不安を感じている場合じゃない。隠し通すしかないんだから。

「いいの?ゼロの兄ちゃん」

コナンくんの不思議な透さんの呼び方に違和感を感じた。確かにあだ名はゼロと言っていたけれど。

「ああ、勿論だよ。ひなたさんもどうぞ」
「・・・ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」

ここで強く断るのもおかしく見えるか、と思い彼の言葉に大人しく従うことにした。

毛利探偵事務所でコナンくん達と一緒に降りてしまえば大丈夫だ。そう言い聞かせて透さんの車にみんなで乗り込んだ。




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