第22章 再捜査
自分一人で探りを入れることが危険なことは分かっていた。
それでもじっとなんてしていられない。
今日は沖矢さんもいないことだし、と出していた資料を全て片付け、施錠を確認してからタクシーで杯戸中央病院へと向かった。
杯戸中央病院の駐車場で降りたは良いが、どうやって探りを入れれば良いのだろう。
そもそも、楠田陸道が入院していたとして、会ってどうする?
組織の人ですか?なんて聞ける訳もない。
後先考えていない自分に、学習能力の無さを嘆いて。
入口付近でどうするか暫く悩んでいると。
「あれ、如月さん?」
「コナンくん・・・!」
声をかけられ方へ目を向けると、そこには蘭さんに手を引かれたコナンくんがいて。
「どうしたの?風邪でも引いた?」
「ううん、僕じゃなくて蘭姉ちゃんのおばさんが、ね」
蘭さんの母親・・・ということはつまり毛利探偵の奥さん。そういえば姿を見たことがないし、一緒に暮らしている様子ではないが。
「どうかされたんですか・・・?」
「いえ、ちょっと盲腸をやっちゃったみたいで・・・今、手術を・・・」
それならこんな所で立ち話をしている所ではないと、急いで病院内に入って。蘭さんは大丈夫と言ったが、一応売店でお花だけを買って入院部屋へと向かった。
個室に入っているようだが、よく見ると入口に書いてある名前は「妃英理」とあって。
何となく事情を察しながら、コナンくん達と共に部屋へと入った。
「あら、蘭。コナンくんもよく来てくれたわね。・・・そちらの方は?」
「あ・・・突然すみません。私、毛利探偵事務所の下にある喫茶店、ポアロで働いている如月と言います。病院の入口でたまたま蘭さん達にお会いして、事情を伺ったもので」
そう言いながら売店で取り急ぎ準備した花を見せて。
「わざわざすみません。蘭、お茶でも入れて差し上げて」
「あっ、いえ・・・!私はこれで失礼しますので・・・」
お花を蘭さんに手渡して足早に部屋を去ろうとしたその時、突然部屋の扉が大きな音と共に勢いよく開いて。
「英理ーーーっ!!!」
驚いてそこに目をやると、顔面蒼白な毛利探偵の姿があった。