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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第20章 追討ち




「そうですね・・・そういう事なら、僕の特製ハンバーグなんていかがですか?」

笑みを含みながら言うその言葉が、冗談なのか本気なのか分からなくて。

「・・・透さんの家に連れて行ってくれるんですか?」
「誘ったら来てくれますか?」

お互い質問で会話が進んで。

「呼んでくれるなら喜んで」

本当はほんの少しだけ怖いけれど。

それが少し顔に出てしまったのか、透さんは小さく吹き出すようにフッと笑って。

「ひなたさんが心からそう望むなら、本気で誘いますよ」

その言葉に少し揺らいでしまって。

このまま彼の家に行くことがまずいことは分かっている。それでも彼の家ならば、兄や組織について何か分かる事が出てくるかもしれない。

そんな簡単には情報を置いていないだろうけれど。

「・・・今日は友人を待たせているので。お邪魔する時はハンバーグ、作ってください」
「ええ、勿論」

沖矢さんやコナンくんに何の相談も無く、丸腰で彼の家に行くのは流石に危険だ。今はそう判断して。

帰って報告することが増えてしまったな、と心の隅で考えながら、今度は今の状況をどう脱出するか考えた。

「・・・ところで、どうしてここへ?」

透さんがいると、着替えるに着替えられなくて。

視線で出て行ってほしいことを訴えた。

「ひなたさんのその姿を、最後に近くで見ておこうかと思いまして」

溢れんばかりの笑顔を向けられ、何か出かかった言葉は飲み込んでしまった。

「でも、出来れば今度からは、僕に一言相談がほしいですね」
「・・・っ!」

太ももをそっと下から撫で上げられて。
ゾクッと感じる刺激を敏感に体が感じ取って、反応を示してしまう。

ほんの数時間前に、体を重ね合わせたばかりなのに。

「と・・・透さん!」

なるべく小さな声で、制止を求めて彼の名前を呼んだ。

太ももをゆっくり這う手を掴み、ほぼ密着状態の体を離すようにもう一方の手で彼の体を押した。

「冗談です」

そう言って撫で回されていた手はパッと離れ、両手を顔の横辺りに広げてみせた。

透さんの言葉はとても信じられるものではなくて。

「・・・意地悪な透さんは嫌いです」
「それは困りましたね」

言葉と表情が矛盾している。
いつもの余裕な表情に、どんどんこっちは余裕が無くなっていった。



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