第19章 求めて※
「僕といるのに考え事なんて、ひなたさんは余裕があるんですね・・・っ」
「あぁっ!ん・・・ぅあ、あ・・・ちが・・・っ!!」
貴方のことなのに、と心で叫んでも彼には届かなくて。
また抜いては中を貫かれた。
「すき・・・で、す・・・っ」
透さんの肩に顔を埋めるように、聞こえるか否かの声でそう呟いた。
でも恐らく、耳元に近かったから聞こえたはず。
「・・・僕もですよ」
ああ、その言葉を透さんから本心で言われる人が、心底羨ましい。
きっと、透さんと並んでいても引けを取らないような美人で、明るい性格で・・・透さんに迷惑なんてかけないような人なんだろうな。
私も、貴方の一番になりたかった。
そう思うと同時に、偽りでも愛してもらえたことが嬉しくて。
今は・・・私だけの透さんだから。
「どうして泣くんですか」
「え・・・」
少しだけ体を離されて顔を向かい合わせた時、透さんにそう聞かれて初めて気が付いた。
どうしよう。
また、泣いてる。
「・・・すみません」
「謝らないでください。痛かったですか?」
優しく透さんに尋ねられると、また涙が溢れそうで。必死にそれを堪えながら笑顔を作り、首を横に振った。
「・・・嬉しかっただけです」
嘘ではない。見破られることなんて何も無い。
「・・・そう、ですか」
切なく笑う透さんに胸が締め付けられた。
それは、貴方の演技?
そう思いながらお互い見つめ合って。
ゆっくり近付く透さんの顔に、キスをするんだ、と感じてゆっくり目を閉じた。
「ん・・・、っは・・・んん、ぅ・・・」
僅かに残る理性も全て無くなってしまいそうな深いキス。
舌が絡み合い、口内でくちゅっと音を立てては唇で蓋をされて。
「・・・ふ、ぁ・・・んっ、んんん・・・っ!!」
キスの最中、少し意識が逸れていた二人を繋ぐ部分が再び動き始めて。
甘い声は透さんの口内へと吐き出された。
「んんっ、ん!・・・ぅ、んんん・・・っ!!」
ゆっくりとピストン運動が開始されて。
上手く出来ない息が苦しくて透さんの唇から離そうとするが、後ろ頭をがっちり掴んで固定する彼はそれを許してくれない。