第19章 求めて※

「･･･っぁあ、あ･･･！！」

ゆっくりと、確かめられるように透さんが私の中に入ってきて。

透さんに回している腕への力を強めた。

「･･･苦しくないように一気に入れますから、呼吸を合わせてもらえますか」

そう言う透さんの声もちょっと苦しそうで。
自然と入ってしまう力に申し訳なくなった。

「大きく吸ってください･･･」

透さんの言葉に合わせてゆっくり息を吸い込んだ。

心臓はバクバクと大きな音を立てているが、気持ちは少しだけ落ち着く気がした。

「･･･吐いて」

肺に溜めた空気を吐き出している最中のほんの一瞬で、言葉通り透さんが一気に奥まで私を貫いた。

「ぁああ、あぁ･･･っ！！」

どのタイミングで透さんが来るか分からなかった為、完全に私の体は不意を突かれた。

でもそのおかげで、苦しさは幾分かマシだったように思う。

その分、快楽が強すぎたようにも思うが。

「あ･･･っ！と･･･る、さ、ぁあ･･･っ」

快楽に耐えようとする体が、彼に回している腕のみならず、指にまで力が入って、透さんの背中に無意識に爪を立ててしまう。

透さんの体に傷なんて残したくないのに。

「やっぱり、ひなたさんの中は気持ち良いですね･･･」

そんなことを言われれば、恥ずかしさから力が入ってしまって。

「･･･くっ、･･･あ･･････っ」

小さく漏れた透さんの声を、私は聞き逃さなかった。

色っぽく艶めかしいその声に、私の喘ぐ声を聞かせてほしいという透さんの言葉が少し理解できた気がした。

「･･･、あまり急には、締め付けないでくださ･･･いっ」
「あぁぁああ･･･っ！」

強い語尾と共に、半分くらいまで抜かれた陰茎をまた奥まで突かれ直されて。

さっきよりも強く、良いところを擦りながら。

「あ、ぁぁ･･･っ、や･･･！」

強すぎる快楽に涙が滲んだ。

苦しいけど、それ以上に嬉しい。

彼と繋がれることが嬉しかった。

受けている愛情は例え偽りだとしても、今体が繋がっていることは確かなこと。

それでも良いとさえ思い始めていて。

ずっと、このまま時が止まれば良いのに。

あわよくば、あの時の･･･ミステリートレインでの出来事は、全て嘘だったら、夢だったら。

どんなに良かっただろう。