第19章 求めて※
「・・・ん、っ・・・!」
テニスウェアの下に潜り込む透さんの手は、あっさりと胸まで到達して。
下着の上から優しく包むように揉まれる。
「ぁ・・・う、ん・・・」
手の甲を口に押し当て、声を我慢した。
少し薄暗くはあるが、前に体を重ねた時より部屋は明るく、お互いの姿がハッキリと確認できて。
勿論、お互いの顔も。
「ふ・・・、あっ・・・」
快楽に歪む顔を見られたくなくて、なるべく下を向きながらそれに耐えた。
透さんの手は愛撫を休めることなく、テニスウェアを胸の上まで捲り上げ、下着からそれらを取り出した。
「あ・・・、まっ・・・!」
恥ずかしくて思わず、露わにされた胸を両腕で隠した。
初めての時は薄暗くて、確認できるかどうかの暗さだったから、少しは羞恥心も薄れていて。
「もう、一度見ていますから大丈夫ですよ」
そう笑う透さんだけど、そういう事じゃないと心の中で反論して。
「それに、ひなたさんの体はとても綺麗で魅力的ですから」
「・・・っ」
またそんな歯が浮くようなことを軽々と・・・。
一瞬そんなことを考えている隙に、腕は簡単に退けられた。・・・腕は掴まないように、手を掴みながら。
もうあの腕への感覚は殆ど忘れかけていたが、その配慮があることには気付いた。
透さんなりの優しさを感じて、どこか嬉しくなって。
「・・・っぁあ・・・!」
取り払われた腕の代わりに今度は透さんの顔が近付けられ、胸で主張する突起を口に含まれた。
反対側の突起は指で撫で回され、快楽で体がぴくぴくと反応を示した。
「あっ・・・と、る・・・さっ、ぁあ、あ・・・!」
透さんの肩を掴んでそれに耐えるが、舌先で転がされたり、舐め上げられたり、それぞれ違う気持ち良さが襲ってきて、何も考えられなくなってきていた。
「あまり声が大きいと、蘭さんや他の人達にも聞こえるかもしれませんよ?」
その言葉で少し我に返って。
それでも声が漏れてしまうことは抑えられない。
「あっ、・・・あっ、んん・・・!」
手で口を抑えてみるが、震えてその隙間から漏れてしまう。
聞こえてしまうんじゃないかという緊張感と、求めてしまう欲望感が体の中でせめぎ合った。