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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第118章 番外2※




「ンん、っう・・・ッ!!」

いつもの彼らしくない、貪るようなキス。

何の配慮もなく、ただただ深く、本当に食べられるようなそれに、呼吸は即座に困難になった。

「・・・ッ、んん・・・っ」

手は自由なのに。
静止をかけるように、彼を叩く余裕すらない。

シワになってしまうという心配すらできず、彼のシャツを無造作に掴んで耐えることで精一杯だった。

「っは・・・、けほ・・・っ」

ようやく唇が離れた時、取り込んだ空気で咳き込んでしまう程、体の中のそれは枯渇していた。

そのせいか、視界はボヤけ、脳は働かず、魂が抜かれたような表情のまま、肩で呼吸を繰り返すことしかできなくて。

「!」

それでも、体の感覚というのは敏感に残っていた。

「・・・っ、待って・・・!」

彼の手が、ゆっくりと太ももを這ってくる。
くすぐったくも、もどかしい。

ハッキリとしない感覚に体は悶え、強ばる中で何かを必死に訴えていた。

「零・・・っ」

自分の欲望に逆らいながら、彼の肩辺りを掴んで必死に体を押し、とにかく彼を落ち着かせることに全力を尽くした。

・・・が。

「ッ・・・!!」

彼の唇は耳元に近付き、手は依然として太ももを優しく撫で上げてくる。

乱れた呼吸が耳を擽る度、体はゾクッと震え上がって。

堪えきれない何かが襲い来るようで、恐怖が同時に近付いてきた。

「零・・・っ!」

加減されているようで、全力で襲われている。
それを察した瞬間、正気に戻すように彼の名前を一際強く叫んだ。

「・・・・・・」

途端、彼の動きはピタリと止まって。
数秒の間、互いの荒い呼吸以外は静かな時間が流れた。

「・・・!」

風見さんに、どう連絡を取ろうか。

そんな事を脳裏で考えながら呼吸を整えていると、私に覆い被さっていた零は体を徐ろに離し、私から視線を外しては、グッと奥歯を噛み締めて。

「!!」

その様子をただ見つめていたのは間違いだった。

腕が上がったかと思えば、彼はそれに思いっ切り噛み付いて。

僅かに感じた鉄の匂いに、一気に血の気が引く感覚を覚えた。




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