第116章 安室2※
「・・・大丈夫ですよ」
危険なんて、僕にとっては合ってないようなものだ。
もう、何が危険なのかすら分からない。
死が怖くないかと問われれば、ある種怖いとは言えた。
僕がいなくなって、誰がこの日本と・・・彼女を守れるというのか、ということで。
だからいくら危険なことでも、まだ死ぬ訳にはいかない。
そう伝えるように、強く彼女を抱き締めると、彼女からも抱き締め返された。
・・・そんな事をしてもらう資格は、ないだろうに。
「そろそろ、良いですか」
このままでは、バーボンとしての仮面がうっかり外れてしまいそうで。
ひなたさんの耳元で囁くように問えば、少しの間の後に彼女が小さく頷いた。
会話のなかで隙をみながら付けた避妊具を確認しつつ、彼女の秘部にピタリと付けると、こちらの方が緊張感が高まった。
「今日はちゃんと力、抜いていてくださいね」
・・・少しでも彼女が苦しくならないように。
そう思っての言葉掛けに、彼女は素直に大きく深呼吸をした。
そんな姿を見て、愛らしいと思わない男が世にどれだけいるだろうか。
・・・まあ、彼女のこんな姿は誰にも見せたくないが。
「・・・っぁあ、あ・・・!!」
ゆっくりと、彼女の様子を確かめながら挿入して。
僕に抱きつく彼女の腕の力が強まったことを確認すると、やはり負担があるか、と目を伏せて。
「・・・苦しくないように一気に入れますから、呼吸を合わせてもらえますか」
こちらとしても、彼女が力を入れ切った状態では負担がある。
少し絞り出すように声を掛けると、彼女の腕が少し動いて。
「大きく吸ってください・・・」
そう言って、僕も大きく息を吸い込んだ。
それに合わせ、彼女も肺を膨らませて。
・・・密着する中で、僕の心臓の音が彼女に伝わってしまいそうな程に、鼓動が強くなる。
もう、バレてるかもしれないなと脳裏で考えつつ、彼女の力が僅かに抜けたことを確認した。