第18章 嘘吐き※
「私はあれからずっと部屋にいたので・・・」
「ほぉ。この言葉が、僕と会った後に聞いたものだとよく分かりましたね」
見透かされている。
動揺するな、と脳に言い聞かせても、全身は震えて呼吸は荒いまま、目は小さく泳いでしまって。
「な、なんとなく・・・そうなのかと」
「粘りますね」
透さんは小さく笑い、前髪をかき上げながらそう言った。
その仕草に心臓が震えて。
「これだけは貴女の口から吐いてもらいます」
「な・・・にを・・・」
バーボンは目の前の彼だと、そう自白しろという事か。
私を殺す理由を見つけ出そうとしているのだろうか。
「他にも吐いて頂きたいことがありますので・・・再度お願いしますが、早めに吐いて頂けると助かります」
そう言って透さんの指が太ももをゆっくりとなぞっていく。
もどかしく感じる快感が、顔を少し歪ませる。
「沖矢という男、一体何者ですか」
「し、知りませ・・・っあ・・・!」
下着越しに透さんの手が陰部に触れてくる。
もどかしい。
直接、触ってほしい。
そう思うくらい、透さんの手付きは柔らかいもので。
「やめ、て・・・!」
言葉では抵抗するものの、体はどんどんと求めている。
「こんなに濡らしておきながら、その言葉は信じられませんね」
漏れてしまいそうな声を抑えるべく、両手で口を押さえて必死に耐えた。
私の知っている透さんじゃない気がする。
今、目の前にいるのは・・・バーボンということ?
「こんな素敵なテニスウェア姿を、他の男に見られたと思うと妬けちゃいますね」
それは、本心?
それとも、私を陥れる為の罠?
「それでも、ひなたさんのこんな姿は・・・僕しか見れませんよね?」
そんなの当たり前だ。
その時はそう思っていた。
「ん・・・ぁっ!」
下着の隙間から指が入ってくる。
腰が疼くような感覚に、自然と声も甘くなっていって。
「いつの間にこんなに濡らしていたんですか。やっぱりひなたさんはいやらしい人のようだ」
その言葉に首を振るが、そんな反応、気にもされていなくて。
「透さ・・・!も、やめ・・・てっ!」
必死に言葉を絞り出した。
これ以上、彼を汚したくない。
安室透のままで、いてほしい。