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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




ひと騒動あったせいで、鈴木会長が望んだ終点までは行かず、最寄り駅で列車は止められた。

降りて人混みを歩く最中、ベルモットにそっと近付くと、視線を外しながら話し掛けて。

「赤井が死ぬ前後の詳細なファイル、もう一度見せてくれませんか?」
「ええ・・・」

彼女も何か考え事をしているようだったが、それは僕に関係したことではない。

・・・どうやら、一から調査し直す必要がありそうだ・・・。

そう考えながら、辺りを大きく見回した。
もう一人、見つけなければ行けない人を探す為に。

「・・・・・・」

すぐに見つけられる自信はあった。
人を探すのは得意だったから。

けれど、どこにも・・・ひなたさんの姿は見えなくて。

社内での様子も気になる。
聞きたいことが山程ある。

それなのに、見つからない。

「・・・っ」

だったら沖矢昴の方だ、と標的を変えてみたが、結果は同じだった。

・・・見失ってしまった。
いや、見放してしまった。

車内で、多少手荒な方法を取るべきだったか・・・そんな後悔のようなものをしながら、今は体制を立て直す為にその場を離れた。



『どこにいますか。報告をください。』

その日の夜。
公安の仲間達との連絡を撮り終えた後、彼女にそうメールを送った。

部屋に戻った痕跡や様子はない。
彼女の行方は、未だ分からないままだ。

・・・考えられる可能性としては、沖矢昴とどこかにいる。
もしくは・・・考えたくはないが、組織の人間が連れ去った。

ただ、後者は少し可能性が低い。

ミステリートレインで手一杯だったベルモットには無理だったはずだ。
終着点で待ち構えていたジンやウォッカにも同じことが言える。

やはり・・・沖矢昴といるのか。
せめて、その理由が分かれば良いのだが。

ただ、送ったメールに次の日も返事が無い事実を目の当たりにすれば、僕にその理由を知る権利は無い、と言われているようだった。




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