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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




「・・・珍しいですね、降谷さんが居眠りなんて」
「すまない。10分程度の仮眠のつもりだったんだが」

結局、僕が次に目を覚ましたのは、予定の時間を超えた30分後だった。

寝ぼけていたつもりはないが、今の状態で運転させる訳にはいかない、と風見が僕の車を運転して次の目的地へと向かった。

「いえ、それは構いませんが・・・ちゃんと休めていますか?」

よくできた部下だと思っている。
僕よりも歳は上だが、こんな僕の命令に的確に動いてくれる。

時々抜けることがあるのは、玉に瑕だが。

「それは僕のセリフだな。君もちゃんと寝ているか?」
「降谷さんに、言い聞かせられていますから」

彼も彼で、激務だ。
それは警察官で、公安の運命というべき事で。

事件はひっきりなしに起こり、僕たちを休ませることはしない。
体調管理は絶対だと、彼にも口うるさく言っている。

それを従順に守る彼に、らしさを感じ思わず笑みを零して。

「・・・それと、明後日のことですが」
「ああ、僕は向かえないから、君に任せるよ」

明後日、僕は公安として動くことができない。
いや、厳密には公安としての仕事になるのだろうけど。

その日はバーボンとしての仕事だ。

彼女の傍にいられないのは少し気掛かりだが、護衛はつける予定だから問題は無いだろう。

その時までは、そう思っていた。

ーーー

2日後の朝。

『今日は友人と旅行に行きます。友人に任せているので行先は分からないですが、着き次第また連絡します』

彼女からのメールに、嫌な予感はしていた。
けれど、安室透からは何も言えない。

『分かりました。到着したらすぐに連絡ください。お気を付けて。』

彼女を止める権利も持っていない。
止めた所で、彼女の傍で動向を探ることもできない。

「何してるの、行くわよ」
「ええ」

今、僕の隣には組織の人間であるベルモットがついている。

バーボンである僕が、ひなたさんの傍にいることはできない。

歯痒さはあるが、今は・・・目の前の仕事をこなすしかなかった。



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