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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第115章 番外1※




「ひなたちゃん、大丈夫?」

持っていたペットボトルが、手から離れ砂浜に落ちて。

「あ・・・はい・・・。あと少しなんで・・・」

でもそれを気に掛ける余裕すら無いくらいに、眠気が酷い。

・・・昨日と同じようだ。

「具合悪いなら、あっち行こう。俺も今日はこれで終わりだから」

心配そうに私に声を掛けてくれる彼は、私の肩を持って体を支えてくれた。

自分では気付いていなかったが、その体は酷く横揺れしていた様で。

「でも・・・」
「店長には言っとくから。さ、あっち」

・・・行くなら、零に連絡しておかなきゃ。
でも・・・スマホはどこに置いたっけ。

「・・・・・・」

自分が今歩いているのか、起きているのかすらも分からない。

意識がハッキリしない中で、彼が掴む肩の感触だけは妙に感じていて。

近くにあった小屋に運ばれたと感覚で分かった時には、私はその部屋のベッドに寝かされ天井を見上げていた。

体が動かない・・・それなのに、声だけはよく聞こえてくる。

小屋にいる人達の・・・・・・。

「・・・・・・」

・・・あれ、今、この小屋には。

「おい、アレ切れたんだ。持ってるか?」

何人・・・いるの・・・?

「金が先だ」
「チッ」

声だけで判断しても、5人はいる。

・・・何故?
どうしてここに彼以外の人達がいるの?

それに、この異様な匂いは何なのだろう。

「ひなたちゃん、その下は水着?」
「・・・は、い」

ここまで運んでくれた彼の声が聞こえる。
その質問に半ば反射的に声を出すと、腕や腹部辺りに誰かが触れる感覚を覚えた。

「じゃあ暑いだろうし、一旦脱ごうか」

・・・脱、ぐ?
服を・・・?

どうして?

そんな短い言葉すら、もう出てこない。
零を呼びたくても、声が出ない。

指1本を動かすことすら・・・できなくて。

「ひなたちゃん・・・ダメだよ、こんな所で寝ちゃ」

確かに・・・ダメだ。
今寝てはダメだ。

「悪い人に、襲われるかもしれないからね」

分かっているのに、何にも・・・逆らえない。




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