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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第115章 番外1※




彼はそれを何故か数秒見つめ、私に視線を向け直すと、徐ろに頬に触れて。

「これは僕が貰っても?」

ヒヤッとした感触が心地好いと思う中、彼は突然そんな事を私に尋ねた。

何故、飲みかけのそんな物が欲しいのか、疑問でしかなかったけれど。

「うん・・・大丈夫だけど・・・」
「ありがとう」

彼の満足そうな笑みに、それ以上何も言えなくなって。

その日を静かに終えた。

ーーー

「え、梓さんいないんですか?」
「あっちの店も、人が足りなくなったみたいで・・・」

次の日、海の家に着くなり、私はそんな事態を早々に告げられた。

今日は杉人さんも居ない為、少し心細く感じてしまう。

「そうですか・・・」

視線を落としながら何とか現実を受け止め、気持ちを切り替えようと、更衣室に向かいかけた時。

「まあ、大丈夫。俺達がいるから」
「そう・・・ですね」

最近よく話しかけてくれる、昨日飲み物を渡してくれた男性に、笑顔でそう言われて。

・・・それもそうだ。
あくまでもここは仕事場だから。

頑張って任された仕事を頑張ろう。
そう意気込んで、その日も仕事を始め、お昼を過ぎて潮干狩りをするお客さんも賑わいを見せる頃。

大勢のお客さんに混じり、辺りを見回すように群がる子供たちに自然と目が行った。

「・・・あれ?」

一瞬、迷子かと思ったけれど。

「こ、コナンくん・・・?」

それが見知った顔だと気付いた時、思わずその名前を口にしてしまった。

コナンくんだけではない。
哀ちゃんはいないようだが・・・少年探偵団のみんなは揃っている。

みんなで潮干狩りに来た、という様子でもないそれに目が離せないでいると、彼らを監督的立場で見守る大人に更に驚かされた。

「れ・・・!?」

いつもはそのポジションが、阿笠博士のはずなのに。
今日、そこにいたのは何故か零で。

彼以外が周りにいないことを確認すると、零がここに子供たちを連れてきたという事実を確信し、更に疑問符が頭の中を埋め尽くしていった。




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