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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第114章 安室1※




「ん・・・っ、んんっ、ぅ!」

そのせいか、彼女はすぐに音を上げて僕の肩を押し上げた。

「と・・・透さ・・・!」

唇を離すと、彼女は荒い呼吸をしながら怒ったように僕の名前を呼んだ。

本当に慣れていないのだな、と余裕を装う笑みを零しては、耳元に顔を近付けて。

「怒っている様子も、素敵ですよ」

そう囁くと、一瞬で彼女の体が強ばった。

そのままではこちらも動きにくいことを察すると、力を抜くように今度は彼女の首元に舌を這わせて。

「ひゃ・・・っ!」

悲鳴に近い声を上げる彼女に、理性が僅かだが崩された。

・・・彼女相手だからなのか。
余裕を保つ自信が、段々と、確実に失われていく。

「や・・・っ、透さん・・・!」

首筋から、耳へ。
舌を移動させながら、彼女の気持ちを一気にこちら側まで引き寄せた。

「・・・んっ、・・・ぅ」

彼女から漏れ出ていた甘い声が、くぐもったものに変わった。
恐らく、手で蓋でもしたのだろう。

それでも抑えきれなかった声は、隙間から甘美なものとして溢れてきて。

同時に体を捩らせる彼女に、また背徳感を覚えさせられた。

「・・・ふ、・・・や、あっ・・・!」

何も考えるな。
再びそう言い聞かせ、彼女の耳たぶを口に含むと軽く吸い上げた。

同時に、彼女から一際高い声が出たかと思うと、僕の服をギュッと掴んで。

「い、いや・・・っ!」

・・・そう、言われた。

こういう時、本当に拒絶しているかどうかはすぐに分かるけれど。

一瞬、心臓を鷲掴みにされた気になってしまった。

「嫌、ですか?」

・・・分かっている。
不可抗力で出た言葉だということは。

けれど、つい試すような声色で尋ねてしまった。

「ひなたさんが嫌ならやめますが」

今の彼女なら、嫌とは答えないはずだ。

「い・・・嫌では・・・ない、です・・・」

・・・ほら。

その想像通りの返答に、安心したような、後悔を煽られたような。

何とも天邪鬼な気持ちに、小さく静かに唇を噛んだ。





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