第18章 嘘吐き※
「やるのはいいけど・・・ちょっと休憩してからにしない?」
「そうね、午前中でかなり汗かいちゃったし・・・」
「腹も減ったしな」
高梨さんがそう言った瞬間、園子さんのお腹の虫が悲鳴を上げて。
「そういえばウチらも・・・」
「お腹空いちゃったね」
特に何をした訳でもないのに、いつの間にかお昼が近くなっていて。朝はいつものように沖矢さんと済ませたが、お腹は僅かに空いてきていた。
「お昼冷やし中華だけど、皆さんも食べます?」
「食べます!食べます!」
桃園さんがしてくれた誘いに毛利探偵はかなり食いついていて。私も、できるだけ人数は多い方が透さんと話す機会も少なくて済みそうだから、その方がありがたい。
「でも、良いんですか?」
「ええ、怪我のお詫びも兼ねて」
透さんの問いかけに、桃園さんが笑顔で返す。ただ、こんな大人数だが本当に大丈夫なんだろうか、と心配になっていると。
「んじゃ、やっぱ俺の分はいいよ。夕べのアイスケーキの残りを部屋で食べるから」
「そんなものばっかり食べてると、もっと太るわよ!」
「平気、平気!」
梅島さんの言葉を聞き流しながら、石栗さんはどこかに行ってしまった。この人たち、仲が良いんだか悪いんだか分からないな、と半ば呆れ気味に見つめながら。
「じゃあ、私達は昼食のお手伝いするから、コナンくんはここで待っててね」
蘭さんがコナンくんにそう話しているのを横目に、今後の行動を考えた。
コナンくんは自然に、と言っていたけれど。
できればこの場から逃げてしまいたい。
でもここは別荘地で、タクシーなんて拾えそうもない。それに、スマホは家に置いてきている。
状況は最悪と言えた。
蘭さんがキッチンに向かうのが見えたので、透さんに捕まらないように慌てて彼女達に着いて行った。
なるべく彼女達と一緒にいない方が良いんだろうけど。
あまり近付いていると、彼女達にも疑いの目や危険が及ぶかもしれない。
それでも今は、彼女達を実質利用する他なかった。