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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第18章 嘘吐き※




名前を呼ばれ、冷や汗が流れる。

振り向かない訳にもいかず、ゆっくりと後ろを振り返った。
そこには笑顔の透さんがいて。

その笑顔の先に、何か得体のしれないものを感じた。

「と、透・・・さん」
「メールにも返事をしてくれませんし、ポアロも休んでいるようですから、心配していたんですよ」

それが本心なのかは分からなくて。

何も言えず立ち尽くしていると、透さんは再び私の方へゆっくりと近付き、耳元まで顔を近付けられた。

「僕に心配かけたこと・・・覚悟してくださいね」

私にだけ聞こえるように、囁かれて。
その後すぐに蘭さん達の方へと向かっていった。

どうしよう、これからどうすれば良い。

スマホは電源を切って部屋に置いてきている為、沖矢さんに連絡はできない。
とりあえずコナンくんと話さなきゃ、と思い彼に駆け寄った。

「コナンくん・・・!」

怖い顔のまま、コナンくんは近寄る私に視線を向けた。

「き、聞いてないよ・・・透さんが来るって・・・!」
「僕も聞かされてなかったんだ・・・。ごめん、ちゃんと確認するべきだった・・・」

コナンくんに謝られ、逆に申し訳なくなって。少し冷静さを失ってしまった自分に、子ども相手に何を言っているんだと自分を叱咤した。

「私・・・どうすれば良い・・・?」
「とにかく自然にしてて。ミステリートレインでは、駅に着いた後、友達とタクシーで帰ったことにしておいて。後は知らないの一点張りで構わないから」
「・・・分かった」

それで通用するかは分からない。それでも今はそうする他なくて。

「でも、大丈夫なんですか?体調を崩されたって聞きましたけど」

少し離れたところで、蘭さん達と透さんの話す声が聞こえてきた。自然にそちらへ目が行き、会話に耳を傾けた。

「ちょっと夏風邪を引いただけですよ。週明けにはポアロのバイトにも復帰しますし」

やっぱりまだ・・・ポアロにはいるんだ。
そもそも、何故彼はポアロで働いているのだろう。

探偵として働き、事務所を持っていることも不思議で。

私がポアロに行ったことはたまたまだったし、何より私と会う前からポアロでは働いていた。
なんのメリットがあって、あそこにいるのか・・・。

「では、練習を始めましょうか」

そう言って、何故か透さんがこちらに近付いてきて。
自然と体が身構えた。




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