第112章 恋愛で※
「あっ、いぁ・・・ぁああ・・・ッ!!」
恐らく、また。
彼のモノが奥深くを突き、達してしまった。
その快楽は達する度に大きさを増し、彼のモノも私のナカで質量を増していくようだった。
「っ、ん・・・ぅ、あ・・・」
余韻が・・・長い。
ビクビクと震える体は落ち着く様子も無く、ただただ呼吸を荒らげていくだけで。
少なくとも、彼が私のナカにいる間は無理そうだと、考える暇さえ与えられない。
「や・・・ッ、待っ、て・・・っ!」
私の体を前後に揺らすように動かしながら、彼も同時に突き上げる。
達したばかりのそれが、私を追い詰めないはずがなくて。
「待てると・・・思うか?」
思わない。
思わない、けど。
思わず言葉として出てしまう。
「んぅ、ふ・・・っあァ・・・ッ」
せめて動きが少しでも小さくなれば、という必死な抵抗で、彼に抱きついた。
本当に僅かな違いではあったが、確実な快楽の急所を避けられていることで、小さな小さな余裕ができて。
「れ、い・・・っ」
半ば無意識に呼んだ名前に、ピクッとした反応で彼が返事をしたように感じた。
その数秒後、彼の口元付近にあった私の首筋に舌が、ねっとりと這わされて。
「ひ、ぁ・・・あぁぁ・・・っ」
ゾクゾクと何かが上り詰める感覚。
それに酷く追い詰められたような気がしてしまって。
「・・・っ」
私の中にある僅かな対抗心にスイッチが入り、咄嗟に目の前にあった彼の耳朶を口内に含み、軽く噛むように歯を立てた。
「ひなた・・・っ」
その瞬間に聞こえた私の名前を呼ぶ声と、甘く艶めかしく、切羽詰まったような彼の吐息が、私の体を溶かすように染み込んで。
さっきのゾクゾクとした感覚を増幅させるような。
追い詰めているはずが、逆に追い詰められているような感覚になってしまった。