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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第112章 恋愛で※




「すまない、シャワーの音で聞こえなかった」

さっきまでの、しおらしい姿は演技だったのか。
そう問いただしたくなる程に、今度は悪い笑みを向けられていて。

本当にズルい人だ。
そう顔で訴えていると、彼は徐ろに私の服のボタンを外し始めて。

そこから少し肌が露出し始めた胸元に、彼の顔が近づいたかと思うと、唇が優しく触れた。

「・・・ここも冷えたな」

それは、彼の唇が温かいこともあって。
自分自身でも手に取るように分かった。

妙に恥ずかしくなる確認方法に、羞恥を隠すよう両手を口元へ持っていくと、その甲で覆い隠した。

「っ・・・」

それを楽しそうにも嬉しそうにも見える、やはり悪い笑みで見つめてくる彼から、思わず視線を逸らして。

体は冷えているのに、顔ばかりが熱くなる感覚に、おかしくなってしまいそうだった。

「ひなた」

浴室に響く彼の声が、脳内でもこだまする。

まるでゆっくりと脳まで犯されていくように。
じっくりと、確実に。

「ひなた、こっちを向いてくれ」

そう言いながら、彼は私の顔を覗き込むように顔を動かしてくるけれど。

何故か体は磁石が反発するように、そこから背くように動いてしまう。

「待って・・・」

恥ずかしい、という思いは勿論ある。
けれどそれ以上に。

「・・・どうした」
「・・・っ」

濡れた彼の姿に、良く言えばときめいて、悪く言えば欲情している。

自分に呆れるような、はしたなく思うような。
そんな感情のせいで、彼を見るのがはばかられた。

「言ってみてくれないか」

そんな私を見て、零はそう言うけれど。

言える訳が無い。
けど目の前にいるのは、公安警察の降谷零であり、生涯を共にすると誓った、降谷零でもある。

そんな彼が私を、逃すはずがない。




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