第110章 キスで※
「やっと、可愛い顔が見れた」
そう言いながら、彼の指先が私の背中を下から上に滑ってきて。
「ン・・・っ!」
ゾクッとする感覚が更にナカの快楽を大きくさせるようで。
その瞬間、また表情が歪んだことを咄嗟に察してしまうと、反射的に彼に抱きつき、顔が見られないよう肩の辺りへと埋め込んだ。
「ひなた」
これでは顔が見られない、と私の名前を呼ぶだけで言われたような気がしたけれど。
「・・・・・・」
無言で、この体勢を崩すつもりはないと返事をすれば、彼も次の行動に出て。
「・・・っや、ぁ・・・!」
折角、どうにか彼のモノを飲み込んだのに。
背中はいつの間にかベッドへとついていて。
体勢を元に戻された上、私の足を担ぐように肩へと上げると、グッと奥まで彼のモノを押し込まれた。
「よく見える」
勝ち誇った様な笑みが、上から降り注がれて。
彼からよく見えるということは、こちらからもその表情はよく見えた。
苦しい程に押し込められたソレは、奥の敏感な場所を強く突き上げる形になっていて。
一度の衝撃でも。
「だめ・・・っいぁ・・・あ・・・ッ!!」
簡単に意識を手放してしまいそうになるくらい、強いものだった。
「・・・っ・・・」
彼から声にならない声が漏れると、心臓がキュッと締め付けられるようで。
その瞬間が一番、私をおかしくさせるようで。
「ひぁ、ぁあ・・・っ!!」
早くはないけれど、的確に弱い部分を攻められている為か、堕ちていく感覚がジワジワと近付いてくる。
ただ、何度か堕ちてしまった体が、再び堕ちるまでの感覚は思っていたよりもあっという間で。
「っい、れい・・・ッあ、いあぁ・・・!!」
体をビクビクッと大きく痙攣させながら、咄嗟に掴んだ彼の腕に爪を立てては、呆気なく果ててしまった。