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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第110章 キスで※




「・・・っ、意地悪・・・しないって・・・っ」

滲んだ涙は一粒だけポロッと零れて。

瞼を伏せながら僅かに睨むように彼を見れば、ものともしない表情で、私のナカから指を引き抜いた。

「すまない、気が変わった」

そう言って私の頬にキスを落とすと、徐ろに彼も服を脱ぎ始めて。

思わず見入ってしまいそうになったが、我に返っては目を逸らし、シーツを引き寄せ顔を埋め込んだ。

「ひなた」

暫くして、柔らかく優しい声で名前を呼ばれると、ゆっくり視線を彼に向けた。

「おいで」

傍で座る彼は、まるで子どもでも呼ぶように私を呼んで。

腕を広げる様子に、妙な恥ずかしさが込み上げた。

「・・・・・・」

もういい歳なのに・・・と複雑な気持ちの中、言われた通り体を起こして彼へと近付くと、流れるような手つきで下着を脱がされて。

そのまま腰をグッと引き寄せられ、彼を見下ろす形になると、また別の恥ずかしさが湧き上がってきた。

そんな、中。

「ゆっくり、腰を下ろして」

当てられたソレに、気付かないはずがない。
このまま腰を下ろせばどうなるかも、分からないはずがなくて。

思わず、今は無理だと無言で首をフルフルと横に振ると、彼は困ったように笑って、私の頬に指を添わせた。

「あまり焦らされると、僕も辛いんだがな」

・・・分かってる。
分かってはいるけど、自分からなんてできない。

「・・・だって・・・」
「だって?」

単純に、今はその大きな快楽を受け切れる気がしないというのもあるけれど。

もう一つ。

「!」

彼が目の前で、私を見つめるから。
そんな中で受け入れるのは、僅かに戻った理性が羞恥を働かせてしまっていて。

だったらそれを緩和させるには、彼の視界を塞ぐしかない、と。

「見ないで・・・っ」

今度は私がされていたように、彼の目を私の手で覆って視界を奪った。




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