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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第109章 一から




「とある探偵が偶然、助手を探しているんだ」

・・・助手。
その響きに、体が先に反応した。

「助手と言っても、探偵道具の開発や修理に携わる合間に、雑務も頼みたいそうなんだが」

そう彼が話していく中で、とある探偵が誰なのかを、ゆっくりと察していった。

それと同時に、懐かしい記憶も蘇ってきて。

「もう1年以上、助手を雇っていないらしい。だからそれなりに仕事が溜まっている」

・・・探偵業も続け、ポアロでも働き、そして公安として日本も守る。

その忙しい中で、私を探すことまでしていたなんて、改めて申し訳無さと嬉しさが滲んでくる。

・・・でも。

「安室透という探偵の助手なんだが・・・やってみないか?」

察していた名前を口にされながら、そう言ってはくれたけど。

「・・・甘えに、ならないかな」

ポアロか、彼の事務所か、という違いだけに感じる。

結局、彼の用意された場所に収まってしまうのは、そういう事になってしまいそうで。

「言っただろ、偶然だと」

それが本当に偶然なのかどうかは最早私には分からないが。

「それに機械類に携わってくれると、とても助かると思うんだがな」

あくまでも他人事のように話す彼に、これはチャンスと挑戦を貰っているのだとも判断していって。

「・・・務まるかな」

その隣にいるのが安室透だから。
降谷零が用意した場所だから、という理由ではなく。

単純に、私の技術を試す場所として与えられたんだと考えて。

「ひなたなら平気さ」

変に迷いを見せる私の背中を、彼のその一言が押して。

「・・・よろしくお願いします」

きっと、彼なりの方法で応援してくれている。

そう感じながら返事をすると、どこか胸がいっぱいになって。

「早速、明日から頼む」
「はい」

クスクスと笑いあっては、尊いこの時間に、そこはかとない幸福感で満たされた。




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