• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第108章 零まで※




「・・・ひなた・・・ッ」

容赦されないまま、彼もまた絞り出すような声で名前を呼んで。

「ふっ、ぅ・・・ぁあッ・・・!」

限界が、近い。

互いの吐息や感覚でそれを感じ取ると、自然と目が合った。

「零・・・っ」

落とされ続けているのに。
不思議と今、感じているのは。

幸せ、だけだった。

「い、く・・・っ、零・・・ッ」
「・・・ッ」

頭が真っ白になっていく中、零の体がフルっと震えて。

「ンぅ、あぁァ・・・あ・・・ッ!!」

私が達すると同時に、彼も一緒に落ちてきて。

ボーッと意識がハッキリしない中、私達は抱き合ったまま荒い呼吸を繰り返した。

「・・・大丈夫か」

暫くして、彼はまだ呼吸が落ち着かないまま一言そう尋ねてきて。
それに小さく頷けば、また抱きしめる強さが増した気がした。

「ひなた・・・」

そして、改まったように再び名前を口にすると。


「・・・愛してる」


今度はそう、言ってくれた。

ぼんやりする頭でも、嬉しさというものは強く強く感じて、幸福感というものを全身に届けた。

「私も・・・愛してる」

小っ恥ずかしい言葉でも。
彼になら言える。

言葉で伝えられる嬉しさを。

彼が教えてくれたから。

ーーー

気付いた時には眠ってしまっていた。
でもその時間は、差程長くなかったようで。

そう感じた理由は、まだ部屋が薄暗かったこともあるけれど。

「・・・・・・」

傍で眠る彼の体の熱が、冷めきっていなかったから。
恐らく眠っていたのは、ほんの数十分程度だろう。

私を抱き締め、ピタリと密着させる彼は珍しく私に寝顔を見せていた。

長いまつ毛に、少し癖のある金髪。
褐色の肌に、意外としっかりついている筋肉。

それらにゆっくりと視線を向けながら彼の体に顔を擦り寄せると、そこはかとない安心感を覚えた。

・・・変わらない。

私の知っている彼。
その彼が目の前にいる。

それが・・・幸せ過ぎて。




/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp