• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第108章 零まで※




「ごめ・・・っ」
「誰に謝ってるんだ」

声を上げ、妙な感覚に襲われる中、思わず口にしてしまったのは謝罪だった。

それはハロくんにも零にも、どちらにも向けたもので。

「声・・・っ、我慢できな・・・い」

声を上げればハロくんを起こし、零にまた唸ってしまう。
その怒りを私に向けてくれれば、まだ幾分かマシなのだけど。

「それならキスを強請れと言っただろ」

そう言いながら、彼は私の顎をクッと軽く持ち上げて。

親指を軽く唇に押し当てると、そのままゆっくり、口内に指を挿入し始めた。

「ふ、ぁ・・・っ」

そのまま舌に指を押し付けられると、徐ろに彼の顔が近付いてきて。

キスされるんだと察し反射的に瞼を落としたが、何故か唇にそれが触れることはいつまで経ってもなくて。

「・・・?」

疑問に思い、ゆっくり瞼を開けば、そこには私をジッと見つめたままの彼の綺麗な目が映り込んできた。

「ひなたの言葉で、強請ってくれ」

そう言いながら、彼は焦らすように指でゆっくりと口内を掻き乱して。

右往左往する指は彼の舌のようだけれど、絡んではこないそれに欲求ばかりが高まって。

最中、腕を固定していた服から彼の手が離れ、スルリとそこから腕が抜け自由を手に入れた。

はしたなく呼吸ばかりが荒くなる中、そのまま彼の手を両手でキュッと掴んだ。

「キス・・・して」

軽く彼の手を引いて指を口内から引き抜くと、か細い声でそう伝えたけれど。

「・・・すまない、聞こえなかった」
「っ・・・」

彼のいつものような意地悪。

本当は聞こえているのに、もう一度言わせる意地悪だということは、彼の表情を見ればすぐに分かる。

でもそれがどこか。

「き・・・っ」

くすぐったいような、嬉しさがあって。

「・・・!」

情けない崩れた表情をしてしまいそうだったから。
思わず彼に抱きつき引き寄せ、顔を見られないようにして。

「・・・大丈夫、我慢する」

彼の肩に口元を埋めると、背中に回す手の力をそっと強めた。





/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp