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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第108章 零まで※




「・・・っ」

手の力を強めた瞬間、彼の体が一度だけ小さくピクリと動いて。

それと同時に僅かに聞こえてきたのは、苦しそうに声を押し殺した吐息だった。

強く抱きしめ過ぎただろうかと一瞬思ったが、彼がそんなに貧弱ではないことを知っている。

「・・・零?」

けれど、暫く彼からの反応が無ければ不安にはなって。

確かめるように名前を呼ぶと、今度は彼の方から私を強く抱きしめてきた。

「れ・・・っ」

さすがに苦しい、と軽く彼の背中を叩いた瞬間、彼の息が完全に荒くなっているのを感じた。

まるで獣のように、歯を食いしばりながら細い息を吐いていて。

彼のその状態に、思わずゾクッと体が反応した。

「・・・もう少し、待ってくれ」

何を、なんて無粋なことは聞けない。

ここまで荒ぶった彼を見るのは、ある意味初めてかもしれない。

だからだろうか。
私まで彼につられるように、おかしくなっていくのは。

「・・・ッ!!」

気付けば彼のモノへと手を伸ばしていて。
服越しにでも分かる程、固くなり主張しているそれに、何故か背徳感さえ覚える。

「ひなた・・・ッ」

僅かに触れ、軽く撫でただけ。
今の彼にとってそれだけの刺激が十分だったのか不十分だったのかは分からないが。

そ私が少しでも手を動かしただけで彼の抱きしめる力が強まるのを感じながら、いけないことをしている、と強く感じてしまった。

「だめ、だ・・・っ」

息を飲みながら苦しそうに声を絞り出す彼に、心臓を締め付けられた気がして。

いけないと、思いつつも。
彼の余裕が無くなっていく姿が、どうにも私を煽る。

以前から彼のそういう姿に心臓を反応させていたが、まさかこれが私の性癖なのだろうか。

「・・・零」

仕返しだと言わんばかりに耳元で名前を囁き返せば、更に艶めかしい吐息が彼から漏れた。

その瞬間、彼の余裕の無い姿に惹かれる理由が、少しだけ分かった気がして。




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