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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第108章 零まで※




「・・・っ」

彼の手に気を取られていると、いつの間にか彼の口が耳元に来ていて。

吐息と共に生暖かい感覚を受けた瞬間に、体はビクンッと大きく跳ねた。

「れ・・・、耳・・・だめ・・・っ!」

舌が、這ってくる。
ゾクゾクと背中から上ってくる快楽が、少し怖くも感じた。

「・・・ダメと言われれば、したくなるのが普通だろ」

そんな普通は知らない。
なんて、言う余裕は勿論無い。

「ンん・・・!」

耳を口に含まれると、脳に直接快楽が届けられているようで。

一気に、おかしくなる。

「い・・・零・・・っ」

求めているのか、止めているのか。
自分でも分からなくなるような声で彼の名前を呼んだ。

・・・瞬間、だった。

「!?」

彼ではない、何か別の生暖かい感覚を、反対側の頬に感じた。

それに気付いたのは、彼も同じだったようで。

「アンッ!!」

2人同時に勢いよく同じ方向を向けば、そこには私達の隣に、ライオンのように勇ましく佇む白い姿があった。

「は、ハロくん・・・」

暗闇に仁王立ちしているその姿を目を丸くして見上げると、彼は何故か零に向かって、低い唸り声を上げた。

「まさか・・・僕が虐めていると思っているのか?」
「アンッ!」

・・・本当に会話をしているようだ。
でもどうやら零の読みは間違っていないようで。

今にも噛み付いてしまいそうな勢いで、ハロくんは零に向かって引き続き唸ってみせた。

「違うよ、ハロくん」

僅かに体を起こしながら、ハロくんを優しく撫でて。

「大丈夫」

彼なりに心配してくれたのだろうと思うと、そういう所まで零に似ているのだな、と少し笑ってしまった。

正義感が強い所まで、そっくりだ。

「起こしてごめんね」

もう、2人だけの空間ではないことを忘れていた。

謝罪をしながらもう一度ハロくんを優しく撫でると、どこか満足そうな表情を浮かべては、寝床へと静かに帰っていって。

「・・・ひなたの言うことを聞きすぎじゃないか」

それを見た零が、ポツリとそう呟くから。

「零に似てるからかな」

独り言のように、私もポツリと呟いて。

「・・・何か言ったか」
「何も」

小さく2人でクスクスと笑いあった。



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