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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第16章 話合い




沖矢さんが出て行った脱衣所で暫く立ち尽くした。
まだ頭の中の情報を整理できずにいて。

これから自分はどうするべきなのだろう。
いつまでもここにいる訳にはいかないし。

沖矢さんには何か考えがあるのだろうか。

そんな自己解決できない問題を頭の中で考えては、沖矢さんに頼り切っている自分に気がついて。

「・・・最低、かなあ」

透さんが好き。

それは今でも変わらない。

でも、曲げられない事実は目の前にあって。

それはとても信じ難いもの。

ただ一つ変わってしまったのは。

彼を・・・安室透という人を心から信じられなくなってしまったこと。

「・・・透さん」

会って話したい衝動を必死に抑えた。
胸が苦しくて仕方ない。

今日は短い人生の中でも数える程しかない、とても最悪な日だ。


ーーーーー


お風呂をサッと済まし、いつもの部屋へ戻ると沖矢さんがソファーに座って私のスマホを見ていた。

「本気で訴えますよ」
「これは失敬」

悪びれた様子もなく、スマホを私に差し出して。また何か勝手に入れられたのではないかと疑って。

スマホを受け取り、確認がてら画面を開いた。

すると一件のメールが入っていて。

「・・・・・・!」

宛名には安室透の名前。
何度見返しても間違いはなくて。

手が自然と震えだした。
それを開くのが怖くて、色んな思考が脳内で駆け巡る。

見るべきか見ないべきか。
どちらを選択しても、結局後悔してしまいそうで。

せっかくお風呂に入ったのに嫌な汗が溢れてくる。

「見てみたらどうです」

そう言われて一瞬自分から離れていた意識がもどり、沖矢さんに視線を向けた。

いつものあの笑顔。

その言葉を聞いても暫く迷ったが、どちらを選んでも後悔するなら。

「・・・っ」

意を決して、メールを開いた。


『どこにいますか。報告をください。』


そのメールは約30分前に届いていて。

これは安室透としてのメールだろうか。

それとも・・・。

「彼は何と?」

沖矢さんにそう聞かれ、何と答えるべきか迷った。

この文面からして、私を探しているのは一目瞭然で。



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