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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第107章 零から




「ただ、君は死んでいることにしている為、日本に居させるのは危険だと判断し、こちらに連れて来た」

・・・FBIの目が届きやすく、公安から見つかりにくい。
きっとそれもあるのだろうけど。

公安にバラさなかったのは、組織の人間に私が本当に死んだと思い込ませる為だろうか。

「そもそも、俺が頻繁に会いに行く時点でおかしいと思わなかったのか」
「お、思ってましたよ・・・でも、そういうものなのかと・・・」

FBIは例外なのだと思っていた。
そもそも、証人保護プログラムについてよく知らないことに、今更気が付いた。

・・・私は、零を忘れようとして、考えること全てをやめていたんだ。

「身分証明を半年も渡していなかったことも、少しは疑問を持ってほしかった所だな」

そういえば、結局あれを公共の場で見せることは無かった。
今の場所で働くのも、FBIが手配してくれていたから。

赤井さんの許可がいるということは、そういう事だったのか。

あれは・・・本当に、偽造されたものだったから。

「君は相変わらず、人を信用し過ぎる」
「・・・いけませんか」

確かにそうかもしれない。
少しも疑問を持たず、きちんと聞かなかったのは私のせいだ。

でも改めて赤井さんに言われれば、多少癪に障る。

それを顔に出しながら問えば、赤井さんはフッと笑みを見せて。

「いや?君の長所だ」

そう、言ってくれた。
・・・相変わらず、ズルい言い方をする。

「いつ、知ったの・・・?」

ずっと私達の会話を静かに聞いていた零に目を向けながら彼に問うと、少し目を伏せては徐ろに口を開いた。

「・・・僕も調べてはいたが、赤井の口から真実を聞いたのは1ヶ月程前だ」

1ヶ月前・・・というと、最後に赤井さんに会った頃。
あの時、確か。

「じゃあ、1ヶ月前に私に話したのは・・・」

赤井さんは、零が私を半年前から探していると言った。

零に説明したのが先か、私に話をしたのが先かは知らないが。

聞けば聞くほど、聞きたいことが出てきてしまう。

その内の一つを問えば、赤井さんは先程よりも少し穏やかな笑みと声で。

「君が会いに行くんじゃないかと、思ってな」

そう、言った。



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