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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第106章 ゼロへ




「妙なマネはしないでよ?穏便に事を終わらせたいのならね」

背後で銃を構えるFBIに向かって忠告し終えると、彼女は私を来た道を引き返すように足を進めて。

「・・・1つ、確認しておきたいんですけど」
「何かしら」

その最中、気になっていたことを尋ねた。

「私の目が無くなったら、どうなるんですか」

虹彩認証や網膜認証と言っていたけど。
物理的に目が無くなってしまえば、私はどうなるのか。

聞かなくても、何となく予想はつくけれど。

「・・・変な気は起こさない方がいいわよ」

もう既に起こして、こうなっている気もするが。

そう言いたい気持ちを飲み込んで視線を向ければ、彼女も私に目を向けて。

「彼がどうなっても構わないのなら良いけど」

そう言って前に視線を戻す彼女に私も視線を向ければ、ベルモットの言う彼が目の前に立っていて。

「僕の事を裏切ってFBIの元へ行ったのですから、彼女はどうとも思ってないかもしれませんよ?」

それを聞いていたバーボンは、いつもの彼らしい笑顔を貼り付けたまま私達に言い放った。

「あら、フラれたのね?」

どこか楽しそうに尋ねるベルモットに、バーボンは私にゆっくり近づいてきて。

「残念ながら」

私の顎をくっと上げ、見下ろすと言うよりは見下すように私の目を見つめた。

「おしおきが、必要のようです」

・・・笑顔、のはずなのに。
やはりそれは貼り付けただけのもののようで。

目は全く笑っていない。
寧ろそこから感じるのは、怒りのようなものだけで。

ああ、これは風見さんも無傷では無いな、と察した。

「・・・猫は自由気ままですから」

その目を見ていられなくなって。
そっと視線を外しながら言い返せば、頬のかすり傷を撫でるように彼の親指が優しく這った。

「飼い慣らしたつもりだったんですがね」

独り言のように呟かれたそれに、どこか胸がキュッとなって。

その理由は、自分ではよく分からないけれど。





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