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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第106章 ゼロへ




待機・・・ここで待機しろという意味だろうか。
それは零がここに居ると知っていての指示なのか。

「・・・・・・」

だとしたら、零はずっと赤井さんとやり取りをしていたのだろか。

・・・いや、そんなまさか。
零がここに居るのに、私を車から降ろすはずが・・・。

「!」

どうしようかと答えの出ない考えを繰り返していると、扉がカチャリと音を立てて開いた。

そこには、私の姿を見て僅かに目を丸くする零の姿があって。

分かれてまだ、そう時間も経っていないというのに。

数日ぶりのように感じる不思議な気持ちを覚えながら、その姿からは目を逸らした。

「・・・逃げなかったんだな」

逃げなかった・・・というよりは。

「それとも、逃げられなかったか?」

それに、近かった。

彼から図星を突かれたが、それが体に現れることはかろうじて無かった。

「まさかひなたにフラれる日が来るとはな」
「ち、違・・・っ」

フッたつもりはない。
けど、このままFBIとの取引が滞りなく終われば。

つまりはそういう事になるのだろうか。

・・・まさか、本当にその事まで彼は把握しているのでは。

「・・・ジャケット1枚で飛び降りさせたのか」

腕や足にできた擦り傷を、丁寧に消毒しては包帯が巻かれていって。

その最中、ジョディさんのジャケットにチラリと視線を向けると、そう問われた。

「す、スピード・・・落としてくれたから・・・」

だから大丈夫だった。
というのは、正しいのか分からない。

そもそも受身を上手く取れない私が、車から飛び降りるなんて無謀だったのだから。

「・・・やはりFBIに任せるんじゃなかった」

この上なく低い声で、酷く眉間にシワを寄せながら彼はポツリと呟いて。

でもだからと言って、あのまま公安の人と一緒にいる訳にはいかなかった。

「これも・・・ひなたの物ではないな?」

結局どうすべきだったのか、これからどうするべきなのか。

前後の行動が分からなくなっている中、彼は私の足に包帯を巻いていると、私の靴が違う事に気が付いて。




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