第105章 意図的
それをジョディさんにアイコンタクトで伝えると、どうするかと言葉無く尋ねた。
「どちらなのか、によるわね」
盗聴器は無いと判断したのだろうが、それでもジョディさんは小声で私に、そう言って。
その言葉に私も頷いた。
ジョディさんの言うどちらかとは、きっと公安なのか組織なのかということで。
「心当たりはないの?」
なるべく声を抑えてキャメルさんに尋ねるが、本人には残念ながら心当たりが無いようで。
彼の頬には焦りのせいか、頬に汗が一筋流れていた。
「相談、しますか?」
私の質問に、ジョディさんは数分考える様子を見せて。
相談相手を誰とは言わないが、ジョディさんには伝わっているはずだ。
ただ、赤井さんに・・・というのは勿論だけど。
私の中に自然とコナンくんが含まれている事に気付いた瞬間、情けないような気持ちもした。
「・・・・・・」
できればした方が良いだろうけど。
ジョディさんはかなり悩んでいるようだった。
キャメルさんと赤井さんを合わせるのは、今は良くないだろう。
キャメルさんに発信機を仕掛けたということは、私と彼が接触することを予想していた可能性もあるが、最初から目的がFBIだった可能性もある。
後者だった場合、尚更赤井さんとキャメルさんが会うことは許されない。
「・・・メールや電話が傍受されていないとは限らないから、シュウに相談も難しいかもしれないわね」
確かに、その可能性も考えられる。
だとすれば、必然的に赤井さん達への相談は難しいということか。
「・・・!」
そう思った瞬間、赤井さんにならどうにかできるかもしれないと、ジョディさんに耳打ちして。
それを聞いたジョディさんは、その後一通りの対応をスマホへ書き出すと、私とキャメルさんへ見せた。
それを読んで理解すると、互いに目を合わせながら頷いて。
私は一通のメールを赤井さんへと送信した。