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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第105章 意図的




「ひなたはどれが良い?」

そんな事を急に言われても。
何が何だかよく分からなくて。

「ど、どうして・・・」

急にこんな所に連れて来たのか。
そう目で尋ねれば、彼はフッと笑みを向けて。

「言っただろ、我儘だと。僕が見たいんだ」

・・・確かに言ったけど。
これを我儘と言う言葉で片付けても良いものか。

「どうぞ、近くでご覧ください」

そうスタッフに促されると、行かざるを得ない。
彼も店に入る前同様、私の肩に手を添えたままで。

もうこれは覚悟を決めるしかないのだと、小さく口を閉じて。

どうして彼が今日、わざわざ私に指輪をつけさせたのか。

何となくその理由が分かった気になりながら足を進めると、壁に並ぶドレスに圧倒された。

真っ白な衣装達が、眩しくて。

・・・ただ、曇りの無いそれが、私を責めるようにも見えた。

「どういったデザインをお探しですか?」
「・・・なるべく、露出が少ない無いものを」

私は、これを着るのには相応しく無い。

この純白のドレスに、そう言われているように感じたんだ。

嘘つきな私が、このドレスに身を包むのかと。
そう言われているような気がした。

それに・・・こんなに露出の高い衣装を着れば・・・。

「ひなた」

私の要望に応えようとしたスタッフを止めながら、零は私を呼んで振り向かせた。

目と目が合えば、全ての考えや感情を読み取られたような感覚に襲われた。

「やっぱり、僕が選んでも良いか?」

それは提案のようで、決定事項だ。

私が嫌だと言えば覆るのかもしれないが。
そんな事、言える訳もなく。

言いたい訳でも無いが。

「・・・うん」

小さく頷けば彼は私にニコッと笑みを向け、沢山並ぶドレスを暫く見て回った。

それを目で置いながら待っていると、彼はとある一着をスタッフに指さして。

それは肩を大きく露出し、シンプルなデザインながら華やかさも感じられるドレスだった。




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